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2020年3月16日 (月)

桜の開花の早まりは、「喜び」よりも全生物の「危機」と受け止めよう!

 昨日3月14日、気象庁は東京・靖国神社にある桜(標本木のソメイヨシノ)が開花したと発表しました。平年より12日早く、昨年より7日早い開花で統計開始以来最も早い開花日となったそうです。
 例年だと、各地の公園では春の訪れを楽しむように花見客でにぎわいます。今年は新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、政府も「危機感」を持ち感染拡大の予防を呼びかけています。感染拡大のリスクを減らすために各地の「花見イベント」が自粛となり、私の住む町でも「中止」となりました。自宅の鉢植えの桜も3輪「開花」したので、例年「花まつり」の行われる公園の開花状況を見に行きました。

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早咲きの「淡墨桜」(岐阜県から実生を譲り受けた地元の方が育て移植)は3分から4分咲きで、家族連れやカメラマンが花を楽しんでいました。敷地内には他にも開花した桜がありカメラに収めました。

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桜以外にも自宅近くでは菜の花の黄色い花がひらき、ミツマタの花が満開です。鳥たちも梅の花をついばみ、春の訪れを喜んでいるようです。

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 桜の開花が早まることは、気温の上昇が早まっていることの裏返しで喜ばしいことではありません。世界気象機関(WMO)は3月10日、2019年の世界の平均気温が産業革命と比べて1.1度上昇したとする報告書を発表しました。グテレス国連事務総長は「このままでは(産業革命前から)1.5~2度の上昇に抑えるというパリ協定の目標を達成できない」と危機感をあらわにしています。WMOのターラス事務局長は、今年が史上最も暖かい1月になるなどと指摘し、南極で過去最高とみられる18.3度が観測されたことにも言及しています。(3/11下野新聞)
 温暖化によって南極の氷が解け、北極圏の氷河や永久凍土が解け始めています。太古の昔に氷に閉じ込められた「未知のウイルス」が空気中に放出されることも想定しなければならない、と危機感がつのります。

Photo      【2020.3.11 下野新聞】


 
オーストラリアの大規模森林火災と日本の今冬の暖冬傾向に関して、インド洋の東側と西側で海水温に差が出る「インド洋ダイポールモード現象(IOD)」が要因とされると注目されています。「IODは約20年前、宇都宮市出身で東京大学名誉教授の山形俊夫さんらが発見し命名した」と地元紙(下野新聞3/2)は伝えています。山形さんは人為的な温室効果ガスの排出がもたらす海洋の温度化で、IODの発生頻度が高まっていると危惧しています。

11     【2020.3.2 下野新聞】

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温室効果ガスの吸収源である世界の森が乱伐や森林火災によって減少し、海水面上昇や台風の巨大化によって発生する被害は、地球上に生きる全生物に影響するという現実に目を向けなければなりません。
地球温暖化をストップさせるには「評論」ではなく、化石燃料依存から自然エネルギーへの転換と、吸収源である森を元気にしなければなりません。「評論」より、一本でも多く木を植える、育てる「実践」が問われていることを月末の森びと総会では語り合いたいと思います。

(事務局・清水 卓)

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