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2021年11月 5日 (金)

自然に逆らわない生活の知恵を現代の暮らしへ

 足尾の森作業に行くと何時も美味しい水が飲める。その水は日光市内の湧水で、先輩スタッフが毎回持参してくれる。Dsc_1303 私の住んでいる府中市を流れる多摩川の源流「水千」は、山梨県甲府市塩山の笠取山山頂直下にあり、その山はミズナラやブナの森である。東京昭島市を走る青梅線の東中神から拝島駅前に設置されている無料給水スポットがある。地下深くから汲み上げられた「深層地下水」で、水のおいしさの理由は分厚い砂利層にある。砂利層は地下水が流れ込める地層で川の流れによって造られ、地質は関東ローム層や粘土層が連続した後、深さ80m付近から50mに及ぶ砂利層によって構成され、深層地下水100%の美味しい水を住民は享受している。Dsc_1298 その深層地下水を汲み上げた府中市郷土の森の林内には、埋蔵文化財の発掘調査で見つかった「まいまい井戸」(まいまいはカタツムリの事で井戸の形がその殻に似ていることから呼ばれている)が有り、先日、散策した。176281 渦巻き状の道を降りて水を汲む方法で想定復元されたもので、多摩北部地域から埼玉県西部に多く見られ、同様な構造を持つ井戸は伊豆諸島や群馬県の大間々扇状地などに存在しているという。起源は明らかではないが平安時代のものと言われ、生活に欠かせない生活水の確保にゆるまない努力が費やされてきた歴史を学ぶことができた。森が蓄える水量と地下水の供給量で私たちの生活が維持されていることを改めて感じられた。Mizuhi1 当ファンクラブの活動のヒントにできないかと考えつつ、林内を去った。(東京FC・松井富夫)

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