森の中は分からないことばかり?
森の中をじっくり見ていると足元から目の前までの草木には様々な虫たちが生きている。写真の虫も何という虫たちなのか分からないし、どのように生きているのかも分からない。
足元のスミレをよぉーく見ていると、スミレの小さな周囲には蟻が働いている様子が見る。調べてみると、どうもスミレが生きていくために蟻に蜜を与え、受粉を手伝ってもらっているようだ。蟻はスミレが組成した糖、アミノ酸をいただいて蟻の子孫を残している、という。
森の中は生きものたちの共同体である。その生きもののひとつが私たちである。私たちは食物連鎖の頂点に立っているが、他の生きもののために何を与えているのかと問われると答えが出てこない。
「植物は人間がいなくても少しも構わずに生活するが、人間は植物が無くては生活の出来ぬ事である」(『牧野富太郎自叙伝』)と言うように、私たちが生きていられるのは植物のお陰であり、森の恵みのお陰だ。特に、ゲンノショウコ、ドクダミ、センブリ等の「和薬」と言われている日本の代表的な薬は、いのちを守ってくれている分かり易い森の恵みである。
森の共同体の生きものとして私たちは何をなすべきかを掴むには、森の恵みを体感してみないと分からない。しかし、森の中は分からないことばかりだから、“森とも”になって分かり合える努力が面白い。森が「真の文明」へ舵をきるところかもしれない。(OWL)
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