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2014年4月

2014年4月16日 (水)

桜の誘いは健康の糧にしてください

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 日光市足尾町旧松木村周辺の桜開花は来週中と思います。今、桜は毎日の春陽に暖められて蕾が膨らんできています。今月27日に実施する「春の感謝デー」には森作業と花見が楽しめる気がします。

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 ところで花見を楽しんだ後の桜の楽しみがあることを知っていますか。そのひとつに散った花弁の塩漬けを茶にして味わうひと時です。私もこの香りと塩味が心を和ましてくれるので気が向いた時に、桜茶を飲みます。先月末、近くの谷中銀座で買った桜茶を本日の朝飲んで、この原稿を書きました。

 もうひとつは、桜の葉に包んだ餡が入ったもちです。これは花の香りでなく、桜の葉の香りが心を和ましてくれますし、餡入りの餅が疲れを忘れさせてくれます。

 桜の気持ちを考えてみれば、花の色と香りで蜂やメジロ、ヒヨドリ、シメ等の鳥たちに蜜を恵み、そのお返しに子孫を繋ぐために受粉の手伝いをしてもらっています。花が散った後は、実を育てるために栄養(光合成)を作る葉を守ります。虫たちが葉を食べると、葉は虫たちが嫌う臭いを出します(田中修著『植物はすごい』中公新書より)。

 桜餅は葉で餅を包んでありますが、その葉は枯れています。田中修さんの本によると、香りが良いと感じる時は葉が枯れている時、葉が虫にかじられている時、写真のように手で葉をちぎった時のように葉に傷をつけた時に心なごむ香りを出すということです。この香りは虫にとっては嫌がられるそうです。

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 本日、筆者も桜の葉に傷をつけて30分程した葉の香りを嗅いでみました。田中修さんが言うとおり、傷をつけない葉は香りを発していませんでした。虫たちにはこの匂いが嫌いなので、桜はこれで葉を守り、受粉した後にさくらんぼへ育て、夏になるとその実を鳥たちに食べてもらったり、落としたりして子孫をつないでいるようです。やがて葉は枯れて土壌分解動物たちの餌となり、その糞を桜や他の植物の栄養にしています。

 こころ和む香りはクマリンという物質ですが、この物質が香りを出すためには葉に含まれているもうひとつの物資が、傷ついたりかじられたりして、この物質とクマリンが反応して香りを出します。

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 桜のきれいな花で人は酔い、散った花弁で桜茶を飲んで心が休まり、花見会や茶会で私たちは友達の絆が強まり、友達の輪を広げています。桜の恵みに感謝ですね。是非、葉桜も楽しんで下さい。

 足尾での「春の感謝デー」は、そんな気持ちをもちながら花見と森作業を楽しみたいと思います。(理事・高橋佳夫)

 

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