“豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富”
5/29、ラジオ放送で「赤ちゃんには母親のおっぱいを飲ませるとよい。母親の胎内に生きる細菌がおっぱいに交じって赤ん坊の胎内にも生きるから」、と言っていました。
田中修著では、コアラが主食にしているユーカリには青酸が含まれているがコアラは死なないと述べています。それは青酸を分解する細菌がコアラの胎内に生きているから、と書いています。コアラの親はその細菌を子供の胎内に生かすために、母親の糞を子供になめさせる、とも書いています。すごいですねー。ところで、私たちの身体も様々な善玉菌が悪玉菌から身体を守ってくれているようです。細菌に頼って生きているようなものです。
5月に35度以上の暑さを観測しました。北海道では50年ぶりの観測だと報道していました。当時は、足尾・松木沢渓谷入口でも松木川からの沢風が吹き上げてこない瞬間はぐったりするほどの暑さでした。10年以上もこの地で森づくりをしていますが、この暑さは初めての経験でした。
臼沢の森や民衆の杜の植物たちもこの猛烈な暑さに参っているのだろうと思います。人間の暮らしではクーラーや扇風機、うちわで暑さを凌ぎますが、植物たちはどうしているのでしょうか。田中修著『植物はすごい!』によれば、植物たちには冷却能力が整っているようです。「太陽の強い光を受けている葉っぱは、水を蒸発させることで、からだの温度を冷やします」、と書いています。
どうやら私たちが暑いときに汗をかくように、植物たちも水分を蒸発させるようです。この時季の朝、足元の草の葉をじっと見ると、葉の上や葉の先に水分が溜まって流れ落ちない様子が写真の様に見えます。小さいころの朝方、家の前の畑で里芋の大きな葉の中に水たまりが丸くなっている様子を見たことがあります。これは暑い昼に水分を蒸発させたので、涼しくなった夜に水分を吸収しすぎたので余った水が溢れ出した(溢水)という現象です。
こうして昼になると葉の気孔から二酸化炭素を取り入れ、太陽の陽を受けて光合成をおこない、酸素とデンプンなどを作って元気をつけているようです。そして私たちに欠かせない酸素や緑の恵みを与えています。
ところで、先月(5月)の真夏日にも日射病(熱中症)にかかって亡くなった方がいました。色々な原因あるようですが、毎年、同じ繰り返しをしている私たちは人と自然(森)との仕組みによっていのちが守られていること見失っているのでしょうか。本日(6月11日)、東日本大震災とフクシマ原発事故から3年3ケ月経ちました。先月21日に判決された大飯原発差し止め、「経済活動より命を優先する考え方から」、という樋口明裁判長の訴えを暮らしの基底にしっかりすえていきたいものです。(高橋佳夫)
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