敵意を解消してくれる花見かな
栃木県宇都宮市でも桜が開花した。宇都宮市から北西へ40㎞程の町が足尾町。足尾で森作業しながら桜の開花と花見をしているニュースを聴くと、心が浮き浮きする。
来月30日は「春の感謝デー」、栃木県ファンクラブの皆さんが植樹祭を行ってくれる。この日に花見ができれば有難い、と思っている。
この時季に思い出すことが、新入社員の花見席確保である。ブルーシートを持って、20名程の先輩方が座れる宴席を確保してきた筆者だが、19歳当時の新人には恥ずかしい時間と場であった。しかし、先輩たちの宴を盛り上げると、仕事の話や職場の人間関係そして社会人として気を付けること等が教えられた。
2~3年もすると先輩たちとの距離が短くなり、後輩たちとの距離も近づく。共にいる時間が長くなれば働く者同士の絆ができつつある。このような事は中国人との小学校建設支援の交流でも実感してきた。最初は、「殺人鬼」と見られていた日本人であったから敵意をもたれていた。しかし、小学校建設をしていると、その敵意は無くなってきた。目には見えない人間の“心”を分かってもらうには、共に行動を起こす時間が大切だ。多文化の違いもともに過ごす時間が大切だ。
その時間と場を提供してくれるのが桜であり、花見である。なんとも有難いことだ。「春の感謝デー」は集ってくれた“森とも”と共に、森と生きる心を分かち合いたい。“サクラの花びらの塩漬けと青菜のサラダ”、そしてウルイやノビルの炒め物で旬の味をご馳走したい。開花時期が早まっている事を気にしながら。(理事 髙橋佳夫)
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