自然の恵みへの感謝と人を重んじる暮らし
冬の草地に露出している岩やヤシャブシの幹にへばり付いている生きものが目立つ今季の足尾松木沢の草地。下の写真は地衣類というが、地衣類は大気中から水分、酸素、二酸化炭素を吸っているという。地衣類は特殊な物質を持っているので、昔から腐食防止、防虫防止に使われ、現在でも漢方薬の原料に使われている。
5千万人ものアメリカ国民が大寒波や山火事の被害に遭っているというのに、「こんなに寒いのに温暖化?」などというSNSを発信している大統領。さらに、この大統領は世界190カ国以上の国々が地球温暖化に向き合っているというのに、「パリ協定」から離脱宣言している。その大統領をノーベル平和賞候補に推薦したという安倍首相。日本国民として恥ずかしい限りだ。己の名誉や人気を重んじているリーダーたちに、大地や緑を眺めることをお勧めしたい。
今年の春は猛スピードで訪れている気がする足尾松木沢。大地の氷が融けて、水分が土に沁み込んで地表が黒くなっている。耳を澄ますと、氷が融ける音が聴こえる。
間もなく啓蟄を迎える。猛スピードでやってくる大気の変化に適応する地衣類や苔の働き。春の陽ざしに感謝しながら、鉄瓶で沸かしたお湯で淹れた足尾フォレストコーヒーを飲みながら、空間と時を分かち合うひと時がたまらない。
地衣類など地球に生きる全ての生きものたちに支えられて生きているという現実を大統領や首相も忘れないでほしい。(理事 高橋佳夫)
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