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2020年8月30日 (日)

生物社会から学ぶ人間社会の常識

 足尾で森作業しているとカラスやモズの雛が親に餌をねだる声が聴こえる。餌の虫は木々の葉を食べている。その虫を採って雛に与えている親鳥。葉を食べている虫が鳥の命を育んでいる。と同時に、鳥は虫の害から森を守っている。私たちの森作業と同じような作業をしている。

Photo  足尾にもオオスズメバチが飛んでくる。刺されると命が危ないので人間にとっては厄介な蜂だ。養蜂家にとってもニホンミツバチを襲うスズメバチは厄介だ。ところがオオスズメバチは日本の森を外来種から守っているという。

Photo_2  長崎県対馬島内には中国からツマアカスズメバチが飛来している。このスズメバチの侵入を妨害し、生息地拡大に抵抗しているのがオオスズメバチ。ツマアカスズメバチの天敵として奮闘しているという(国立環境研究所・五箇公一氏)。厄介な蜂だと思っていても、生物社会のなかでは重要な役割を果たらしている。森と人と蜂(虫)のつながりが嬉しい。

Photo_3

Photo_4 中倉山

 悲しいかな、人間社会では生物社会の協働作業が見えない。誰もが待ち望んでいる新型コロナウイルスのワクチン開発。各国で莫大な税金が開発企業に投入されているが、商品が開発されれば、その開発会社は独占的に利益を得る。ところが貧しくても税金を払った人たちにはそのワクチンが手に届かない。今になってもPCR検査は有料な日本。(理事・高橋佳夫)

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