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2022年5月

2022年5月30日 (月)

小さな森の防潮堤の木々の緑は鮮やか

 昨日(5/29)、今年最初の育樹作業を行いました。5ヶ月ぶりの名取市の「いのちの森」の木々はどのくらい生長しているのか、この冬は雪が多かったので冬枯れが多いのではなどの期待と不安をもって、一行は現地に着きました。Dsc01153 常緑樹が若干枯れていましたが、落葉樹の鮮やかな新緑が大空に葉を広げていました。森の中に入ると、年々豊かな森になりつつあることが実感できました。Dsc01158 Dsc01154 この日は、常緑樹を中心に75本の苗木を補植し、その他は草刈りを行いました。森作業を通じて、今、地球上で命をつないでいる生物の生存が人間の生活の結果として脅かかされている危機的な状況にあること、その要因である地球温暖化と向き合う気持ちを参加者一同で共有しました。Dsc01156  育樹作業に初めて参加してくれたJREUOBからは、「こんなに生長しているとは思っていなかった。作業は暑かったが気持ちのいい汗を流すことができた。次も参加したい」との感想が出されました。応援に駆けつけてくれた森びと福島県ファンクラブの斎藤さん、ありがとうございました。

(森びと宮城県FC代表・林 雄一)

2022年5月 1日 (日)

やってみて分かることを改めて実感

 里山は人の営みのもとに草原から森林まで様々な代償植生が見られます。原生の状態では出現しない日本の人里を豊かにする植物たちで構成されています。

20220501_070928_3    先日、研修講師として横浜市の舞岡公園に出かけてきました。横浜市の職員、地元の指定管理の方、生物調査会社の方など10数名と観察を楽しみました。雑木林は長いこと放棄され、アズマネザサに覆われていたのですが、年に1回の刈り取りのおかげで、ササの背丈が短く、疎らになり、ハエドクソウ、ヤマユリ、ホウチャクソウ、ヌスビトハギ、オケラ、キンラン、ケスゲなど、雑木林の多年生の林床植物が蘇っていました。ところが面白いことに隣の刈り取り地では、同じように年一度の刈り取りなのですが、よそ者の一年生植物のミゾイチゴツナギとツユクサのほかは、雑木林の林床は復活していません。この違いが何なのだろうと管理者に聞きましたら、同じ一回の刈り取りでも、貧相な方は夏の刈り取り、豊かな方は冬の刈り取りということでした。

9784865783360    なるほど、冬なら常緑のササだけ刈り取れるけど、夏だと成長した多年生草本類も一緒に刈り取ることになるわけです。ササの勢いを止めるには栄養分が地上部に集中する夏に刈り取るのが効果的なのですが、他の林床植物には良くないのがわかりました。やってみて初めて分かることが、生態学には沢山あるということですね。(代表・中村幸人)