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2021年6月

2021年6月29日 (火)

県民の力で「2050排出ゼロ」へ、請願書作成中

 昨年、菅総理は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。先月26日には「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記した改正地球温暖化対策推進法が成立しました。改正法が成立した以降、国、地方自治体、企業では様々な動きが活発化しています。

 森びと栃木県FCは、「2050年までに温室効果ガス排出ゼロ」への請願書を県議会に提出するために、6月18日、その会議を行いました。出席者は請願書案を議論し、7月中には議会に提出をしていくことを意思統一しました。

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 排出ゼロに向けて私たちは木を植えていますが、先日、昨年10月に植樹した日光板橋「城山の森」を見てきました。苗木は順調にすくすくと成長しているようです。周りの草や木も同様に伸びており、笹竹が目立っていました。その場で、草刈りの計画をしました。

Img_1919   植樹場所へ向かう登山道

Img_1921 Img_1924 Img_1932 Img_1946  元々あったアジサイも元気そうです

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 男体山、女峰山には雲が掛かっていました。当日の午前中は青空が見えていたのですが、この時季は必ずと言っていいほど午後には栃木県特有の雷雨になります。最近の雨の量は以前と違い、すぐに道路が川のようになり、川が氾濫する回数が増えています。近くで葉、休耕地を田んぼダムにし、護岸工事と川幅を拡張しています。効果を期待したいものです。「城山の森」も将来は水を溜め、土砂災害を防止する機能を発揮してほしいと願っています。また、小さな森ですがCO2の吸収も頑張ってほしいと願いながら、森を散策してきました。(栃木県FC 加賀春吾)



2021年6月23日 (水)

地球の守り神・「悪魔」になってみたい

 梅雨入りする直前の福島6月中旬、急激に発達した雷雲が、毎日のようにどしゃぶりの雨を降らせます。「みんな昔の降り方と違うな」と口をそろえて言っています。自分たちをとりまく環境変化に気づいていても、より遠いところで起こっている事であり、私たちの生活の事であることに気づくのは難しいものです。気候変動は、すでに人間の健康や生活の安全安心に深刻な悪影響を与えつつあります。

Photo  環境省は「温室効果ガス」がこのまま増え続けていくと、今世紀末には平均気温が2.1~4.0度上がると予想しています。今年もすでに「ゲリラ豪雨」に襲われ始めています。川が氾濫し、住宅は床上浸水、土砂崩れ、交通機関はストップすることを想起し、地球温暖化に向き合う姿勢を改めなければと感じています。

Photo_2  姿勢を改めるきっかけをつくってくれるのが「お人形様」。拝んで何とかなる温暖化ではありませんが、自然に向き合う人間の気持ちが甦ってきます。

Photo_3  福島県の三春町から現在のいわき市平に通じる磐城街道沿いに背丈が四メートルもある「お人形様」が3体祀られています。なぎなた、刀を持ち、両手を広げて通せんぼの仕草をしています。顔は大鬼の形相で、外から悪いものが入ってこないように、にらみをきかせています。3体の表情はそれぞれ違っています。伝承によると、悪疫が流行した際にそれぞれの村に入り込まないよう、悪魔を追い払うという素朴な祈りから「お人形様」を祀ったとされています。面はケヤキの一枚板に一刀彫で仕上げられています。コロナ禍の今、この人形を見つめていると、ひと本来の山の神(自然)への祈りとして、森と暮らしてきた先人の生き方が伝えられている気がします。

Photo_4  写真は船引駅の「お人形様」。お盆や年末年始の帰省、また毎日の通勤・通学などで駅を利用する人の無病息災を願うものです。

Photo_5  私たちは、地球を駆け巡っている異常気象や新型コロナウイルスの猛威を追い払う「悪魔」にならなければならない時です。少しでも多くの方々との出会いをつくりだし、「悪魔」の連帯を求めていきます。(福島県FC 齋藤 章)

2021年6月19日 (土)

下総国文間(もんま)郷に暮らした先人を偲ぶ

 6月14日(月)、茨城県も梅雨入りしました。翌日の草刈りは雨だろうと思っていましたが、当日の天気はなんと晴れ、県FCとしては初めての里山作業でしたので気分も晴れました。

D514730166964baa98269bf69feeedfd  かつて、下総国文間(もんま)郷には今でも鎌倉街道が残っていています。当日は、その北端の台斜面で里山に残るいにしえの街道の面影を探しました。ここは私の地元で、お世話になっている寺の裏手(根本寺領)です。先人が森に寄り添って暮らしていただろうとの想いを探し、地域の方々と共有してみたいと思います。今後は、地域の皆様と一緒になってこの里親発見作業を続けていければと願っています。

48ad1f8302b64f3e98103cf1d5de1506  この周辺は、里山が荒れ果て竹林化しています。最近、地域の方が手入れを行っている様子が見えます。私達は別の角度からいにしえの里山発見を考え、先月の現状見聞に続き、今回は実作業に移りました。地域の川村典男さんも作業に協力してくれました。荒れた里山の草や竹、木々を刈り等の里山発見作業を行いました。

C2941c5bbc2442f990d2840802eef9ae 当日の作業は、仁平、済賀、川村そして筆者で行いました。(茨城県fc・大津崇)

2021年6月14日 (月)

森の恵みに感謝できる暮らしをいつまでも

Photo  秋田も急に暑くなり、梅雨の気配を感じています。5月~6月の時季は山菜が食卓や宴の場を豊かにしてくれます。この頃は、この恵みを独り占めにする人が私の周りにも目立ち、残念です。山菜採りは熊に注意です。私はいつも友人と一緒に森へ入ります。先般、トリカブトを山菜と間違えて病院に運び込まれるという情報がありました。本やネットだけの判断は危険です。秋のキノコ採りも同じことなのですが、最初は安心な恵みであることを現場で教えてもらうことをお勧めします。 

Photo_2 上の写真は孟宗竹とわらびです。このころに気になるのは、例年の時季に採る山菜が固い感じがします。また、草の伸びが早く感じます。今までは猪や鹿の姿を見たことがなかったのですが、この頃は森に現れてきました。秋田の森が生息可能な自然環境に変化しているのかもしれません。これからは、熊以外の獣に向き合わなくなってきました。

Photo_3  山菜採りが早まってきたようなので、これからは山菜の保存方法を見直しする必要がでてきました。塩が山菜の腐りを防いでくれますので、保存食を作る知恵を爺様から訊いて、次世代に伝えていかなければならないようです。

Photo_4        もみじ傘

 森の恵みがなければ誰もが生きていけないと思いますので、人間がすこし手を加えることを学び、暮らしに活かしていきたいと思っています。森と生きていくことの大切さを感じる活動を続けていきます。

Dscn0438       サンショウ

風で種が飛んできたのか、山椒の木が根づいています。(秋田県FC・船木藤典)

2021年6月 9日 (水)

九十九里浜は今世紀末には消えてしまうのか

 昭和30年代までの千葉・九十九里浜には、広く、熱い砂浜が広がっていました。海岸の水辺までたどり着くには何度も足の裏を冷やさなければ辿り着けなかった頃、海の人たちは一生懸命に生きていました。生活は楽ではなかったけれど、大人も子供も心は清らかで、海には豊かな幸があり、魚介類は驚くほど良く採れました。浜の女衆は漁船を砂浜から海に出す「オッペシ」という作業のために半裸で過酷な仕事に耐えました。男衆は素裸で漁に出ていきました。生きることに大人も子供たちも目が輝いていた時代です。 

Photo_2  それから半世紀が過ぎました。海も魚介類も砂浜も生活も大きく変貌しています。九十九里浜は千葉県北東部の太平洋沿岸に沿って弧を描いた砂浜です。北東方向屏風岬(銚子市)から南西方向太東岬(いすみ市)まで約66キロに渡って続き、遠州灘に次ぐ規模を誇ります。この砂浜に今異変が起きていて、砂浜が急速に減少しています。

Photo_3  千葉県の気候変動対策(2018年)では、九十九里浜など21世紀末(2081~2100年)の砂浜面積が20世紀に比べて最大9割縮小する可能性があるとの推計を示しました。要因は、温暖化の影響で海水面の上昇が懸念されるとしています。 

2  海面上昇の観測では1901年から2010年の110年間で19㎝も海面が上昇したと言われています。また、2013年に公開されたICPP第5次評価報告書では、今後2100年までに海面上昇は最低でも26㎝、最大で82㎝となると見積もられています。

Photo_4  海面が上がると海岸が「水没」します。台風や高潮の影響で「海岸浸食」が起きます。これは砂浜が削れていくことになります。1m海面が上昇すると海岸線は「水没」によって約20m後退しますが、「海岸浸食」によって全体で100mも後退します。実際、九十九里浜・白里海岸では1961年と比べ50年後の2015年では最大で90mも砂浜が消え、海岸線が後退したところがありました。 

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Photo_6 「子供のころ、砂浜はちょうど、あそこの白波がたっているあたりだ。昔は砂浜で野球をするなど、この浜辺は遊び場だった」と、森びとOB・斎藤さんがよく話していました。斎藤さんは地元で海岸松の復活に尽力し、10年前から仲間とともに黒松を植樹していました。その松は現在、東京2020オリンピックサーフィン競技会場の入口ゲート脇で元気に育っています。

Photo_7  先日、現地を訪れました。会場設営準備のため、現場は入場禁止となっていましたが、海岸部分は自由に入れました。また、多くのサーファーがオリンピック会場やその周辺で波乗りを楽しんでいました。少年サーファーも多くいました。

Photo_8  私は海を見ながら、「50年後にはこの海岸は無くなってしまうのか。いや30年後、少年が大人になり結婚し、子供と一緒にこの海岸に来れるのだろうか?」と思いました。波先に転がっているハマグリや足元のカニを見て、そう思わずにはいられませんでした。

2_2 「小さなことから、出来ることから」自分たちの住む千葉県の海岸線を守るため、千葉FCは地球温暖化防止に向けて活動したいと思います。千葉ファンクラブ 髙梨 厚

 

2021年6月 4日 (金)

未来に遺したい名取市の「いのちの森」

 先月20日(5/20)、宮城県ファンクラブは今年最初の育樹作業を、名取市閖上の「いのちの森」で行いました。現場に到着するまでは木々が順調に育っているのかと気が落ち着きませんでした。

Dsc01002  森に入ると、コナラ、ケヤキ、カシワ、ヤマザクラの落葉樹が、大人の背丈を超えるまで生長し、葉は大きく広げて鮮やかな緑が私たちを迎えてくれました。私の気持ちはホッとしました。

Dsc00996  一方で、タブ、シラカシ、アカガシ、ユズリハ、シロダモの常緑樹は葉の色を見ると枯れているようでしたので、防風対策として北西側に沿ってマサキを植え、100本の苗木を補植し、草刈りを行いました。

Dsc00994  私たちの森の周りはマツを育てられていますが、10年前の津波被害でマツが全滅しましので、私たちが育てている土地本来の樹種での森の機能を期待しています。その機能が発揮してくれるまではこの「いのちの森」を、未来に遺していきたいものです。先日はこの地の近くで地震がありました。また、各地でも地震が起こっていますので、少しでも自然が私たちの暮らしを支えてくれることを願っています。

Dsc00998  当日の森作業は、そんな気持ちを共有しながら行うことができました。(宮城県FC・林 雄一)