« 2013年3月 | メイン | 2013年5月 »

2013年4月

2013年4月24日 (水)

屋久島・鎮守の森植樹祭に参加して来ました

鹿児島県は屋久島、平内地区で行われた鎮守の森の植樹祭に参加して来ました。植樹祭当日(4/21)は、前日の雨が嘘のように晴れ渡り、気持ちのいい天気となりました。

P4220363

鎮守の森を作る会(代表 坂東五郎さん)の皆さんが、ゼロから4年がかりで準備をした今回の植樹祭は、地元の方、移住した皆さん、島外からの参加者を含めて200名を優に超えるひとびとを集めて行われました。植樹した木は17種類3056本。タブノキ、スダジイ、アラカシ、ウラジロガシなど、関東でもお馴染みの木の中に、バリバリノキ、リンゴツバキ、ホルトノキ、イスノキといった樹種が特色をだしていました。

P4210269
拍子木と地元の太鼓の音が響く中で開会式が行われ、ユンボによる大きな垂れ幕が上がるとひときわ大きな拍手が。宮脇昭先生による植樹指導があったのち、18班に分かれての植樹です。

P4210275

わたしは6班リーダー役を仰せつかり、奥にある若干傾斜した場所の担当となりました。傾斜地は森びとの宿命(笑)でしょうか。簡単な説明の後いよいよ植樹開始。林縁を含めると1平米4本ほどでみっちりと混植します。マルチングをして鹿よけネットをかけて終了。丁寧に1時間半近くかけての作業はとても充実したものでした。若干赤土が多く水はけが心配されるところもあったのですが、開会式が始まる前から参加者の皆さんと一緒に一生懸命土起こしをしため、きっと無事に育ってくれるものと思います(宮脇先生もじ~っくりと見ていかれましたし!)

P4210273

閉会式もつつがなく終わり、ふと気づくと始まる前は雲に隠れていた破沙岳がくっきりと顔を出しました。きっと主催された皆さんの思いが通じたのでしょう。屋久島は少し移動すると全く違う風景があって、そのどれもがとても魅力的です(天気も実際に全然違っていたり)。ここ南側方面からは破沙岳やモッチョム岳?がとても印象的でした。

P4220353

坂東五郎さんの思いで始まったこの植樹祭、今後は町に引き継がれていくそうです。一見、豊かな森が多く見えるこの島も、さまざまな要因で原生の森が失われつつあるようです。そのことについてはまた次の機会に書こうと思いますが、そういう事実も含めて植樹祭がいつまでも継続してくれるといいですね。植樹祭自体は、いろいろと手作りの趣向が凝っていて、また子供さんも含め若い方々が沢山参加されていて活気のある楽しい会でした。

P4210283
屋久島で植樹をするということで伺うきっかけを作ってくださいました坂東さんはじめたくさんの皆様に感謝したいと思います。また現地で出会った方々、植樹でお世話になった皆さんにも。有難うございました。屋久島最高~(小黒)

2013年4月15日 (月)

中村哲さんと連帯して、いのちを守る森の防災林をつくる

 

Photo_15


 『ペシャワール会報』4月号が届いた。9・11後2001年10月、米国によるアフガン戦争という長い戦乱のなかで治安の悪化、さらに干ばつによる農地の砂漠化等によって多くの難民が発生していたアフガニスタン。

 

 この地でアフガン難民を治療し、「飢えと渇きは薬では治せない」とカレーズ(井戸)を堀り、その上飲料水だけでは農村の回復は不可能として2003年から農業用水路建設に取り組んできた中村哲さん。

1


 

・・砂漠を緑地・農地にした写真を見てください・・

 

4


5


 それから10年、マルワリード・カシコート連続堰がこの春、完成する予定だという。完成すれば16500㌶の農地が確保され、推定65万人の暮らしが維持されると言います。カシコート取水門と主幹水路は、なんと日本の堰と堤防工法によって造られたと言います。堰は山田堰(福岡県朝倉市)の工法が踏襲され、堤防は植樹帯堤防というものでした。

 

 「護岸」ということに関して会報には、「壁を高くすれば済むことでなく、人の安全を確保するのだから、万一浸水があっても最低限の犠牲で済むように努力が払われました。先ずは危険な場所を遊水池として耕作だけを許し、人が住まない。強力な護岸といえども過信せぬことを徹底した、といいます。技術的には、洪水の抜け道を大きく取って堰き上がりをたいてい現に抑え、予想を超える水位に対しては力ずくで守らず、越流を許しました。洪水侵入部に長さ200㍍にわたり、堤防というよりは長い小山を築き、河の表法にヤナギ、裏法にユーカリの樹林帯を造成しました。何れも根が深くて水になじみ、激流でもさらわれることがありません。万一洪水が来ても、流水が林をくぐる間に速度が落ち、破壊力を減らすことができます。」と書いてありました。

 

 そして中村さんは、「自然を制御できると思うのは錯覚であり、破局への道です。ただ与えられた恩恵に浴すべく、人の分限を見極めることです。最近の日本の世相を見るにつけ、ますます自然から遠ざかっているように想えてなりません。足りないのは、敵意を煽る寸土の領有や目先のカネ回りではありません。自然に対する謙虚さと祈り、先人たちが営々と汗で築いた国土への愛惜、そこに息づく多様な声明との共存です。」と、述べています。

 

 会報に載っている中村さんの写真顔とこのメッセージを拝読すると、元気を貯えることができました。アフガン現地で支援してきた当時を想い出し、原発に頼らない森と生きる理想郷を描いて、その実現に向けた決意を遠く離れている中村哲さんに送ります。(OWL)