掃除は電気掃除機でするもの?!
日本の住まいの特徴は畳と板張り床です。玄関では靴を脱いで部屋に入ります。掃除にはほうきを使い、念を入れて掃除をするときにはお茶がらを畳に蒔き、綿ぼこりが飛ばないようにしました。掃除の後には、綺麗になった畳の上では横になったりして家族の団らんを過ごした経験があります。
「ところが掃除は電気掃除機でするもの」となってしまいました。今では「700万台以上の電気掃除機が買われたり、捨てられたりしています。この掃除機を動かす電力は原発1.6基分」とも言われています。
藤村靖之さん(発明家)は、「そもそも電気掃除機は今から120年前にアメリカで発明された。彼らは毛足の長いカーペットを敷いて土足で暮らしている。その土はほうきで取り除けない。だから電気掃除機を開発したのです。・・・戦後、高度経済成長期に入ると、カーペットが富の象徴となり、皆が競って敷き、電気掃除機も普及してきます。その後、子供のアレルギーなどの問題が出現して、今度はフローリングに変わっていくのですが、すでに“掃除は電気掃除機でするもの”という習慣が人々の中に刷り込まれていました」、と述べています。
小さなことでいいからできることをやる
藤原さんはさらに、「エネルギーは、食料と同様にグローバリズムに乗りやすい。今、国内で太陽電池を作っている会社は海外生産を準備している。10年後にはもしかしたら僕たちは、中国が原発から得たエネルギーで作った太陽電池を買うことになるのかもしれない。でもそのときに、そんなお金が日本にあるのか。やっぱりエネルギーは、地域レベルで循環し、それで環境や雇用が地域レベルで持続できるようにするしか答えはない。
そう考えたら環境やエネルギーに関してできることが山ほど見えてくる。選挙民の一員として国全体のエネルギーや経済に関する政策がどうあるべきかを考えるのはもちろん、小さなことでいいからできることをする。大きいことを言う人は、言うだけで何もやらない。それは実行できないことを、自分を正当化する言い訳でもあるんだよね。人は「正しい」ことをではなく「楽しい」ことが好きだから。小さいことを楽しくやる。ひとりじゃなくてできるだけみんなでやる。これが長続きの秘訣です。」、と述べています。(2011年4月『生活と自治』より)
私たちのライフスタイルを振り返ると、スタイルは各国の経済や政治が無関係ではないようです。原発に頼らない森と生きるライフスタイルの創造は、その主人公である私たち一人ひとりの本物を見極める知力が大切ですね。理事・高橋佳夫
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