森の恩恵に支えられている人間の暮らし
暖冬の新年を迎えた。朝6時半頃、森は薄暗く、窓から三日月を観ていると外は寒そうだ。20年以上も標高約1300㍍の森で新年を迎えているが、こんなに暖かい年は初めてだ。とは言っても朝の気温は-10度程になっているが、いつもの時季は-15度程であるから今年は暖かい。
寒いと身体を縮めてしまうが、唯一常緑樹のシャクナゲの葉も縮こもる。しかし、朝陽が当たってくると写真の様にシャクナゲも葉を拡げて、嬉しそうに深呼吸をしているようだ。
暖冬だからいつもの冬鳥たちには遭えないと思っていたら、ベニマシコが餌台に姿を見せてくれた。遠方より友来る、である。
太陽の陽が眩しくなると、小鳥たちが活発に飛びまわる。
浅間山は1873年に大噴火した。火砕流などで大勢の村民がその犠牲になった。毎年、その犠牲になった村民の気持ちを忘れまいと、近くの鎌原観音にお参りする。今年は、近くの鎌原神社にもお参りした。
この境内には、寿命250年のモミの木、樹齢350年のケヤキの巨木が生きている。案内板によると、昔はモミの木で棺桶を作り、亡骸を土に戻していたという。ケヤキは鎮守の森の主役になって神社を守っていたという。
また、神社の入口には1800年代の土蔵がある。異常時の村民共有倉庫らしい。写真の様に土蔵には一切金属は使われていない。材は土と植物だけである。土は植物の葉や枝などを土壌分解動物たちの働きで作られたものだ。
2016年は、“ストップ!地球温暖化 原発に頼らない 森と生きる暮らし”を創るアクションのスタート年。人類の責務として、改めて、森に寄生して生かされている冷厳な事実を認め、生存が不安定な時代を迎えないようにしたい。(理事 髙橋佳夫)
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