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2017年7月

2017年7月26日 (水)

近年の大雨で流された土砂や流木の警告は“暮らしの見直し”?

 7月22日(土)に実施した「夏の感謝デー」では美味しい群馬県産小麦で作った冷麦を冷汁で食べた。勿論、冷汁の食材は旬の地産地消、キュウリとミョウガは子供の頃に食べた味だった。暑い日の草刈後であったので、冷たいゴマ汁は旬の味を倍加させたのかもしれない。

Photo 九州地方の大雨被害

 食後の交流会で筆者が話しをしたことは、「九州地方、秋田県を襲った大雨がこの地に降ったならば松木川両岸の土砂も流されてしまうのではないか!」ということだった。

2 中倉山の松木川斜面

3 今でも崩れる松木川斜面の土砂

 足尾松木村が廃村に追い込まれたのは1902年。100年以上の天然更新と61年前からの本格的な治山緑化事業で岩肌に土が堆積して、やっと草木が茂ってきたこの松木川両岸の草木の力では24時間に100㍉もの雨の勢いには耐えきれないのではないか。

Photo_2 大雨時の足尾ダム

 さらに、松木川の砂防ダムには土砂が堆積し、流される土砂をくい止める余力がない気がしている。足尾銅山精錬所手前に造った三川ダムも同様だ。堆積した土砂の下の方には重金属が含まれている土砂も残っているかもしれない。

Photo_3 普段の足尾ダム

 こんな心配は無用かもしれないが、河川やダムを管理している国交省に訊いてみることにした。と同時に、誰もが実感している近年の大雨の猛威には、“待ったなし!”で向き合っていかなければならない。被害を防止する策は勿論、大雨など想定外の異常気象にブレーキをかけていく暮らしを見直さなければならない。

P7227120  これ以上地球を温めない暮らし方をできるところからスタートすることだ。オーストラリアやアメリカ等の国々から輸入する小麦でつくる冷麦やパン等ではなく、地産地消の食を1億人の国民が暮らしに取り入れるだけで、温室効果ガス排出にブレーキがかかる。

P5218129  さらに、企業や行政が食の地産地消を積極的に推進していくとその効果はさらに期できる。大雨で流された流木や草木はこんなことを私たちに警告しているようだ。

P7197015 大雨で被災された皆さまにお見舞い申し上げ、犠牲となった方々にお悔やみ申し上げます。(理事 髙橋佳夫)

2017年7月 2日 (日)

森の力:クールアイランドと生きるヒントを呼び起こす

 久しぶりに「自然教育園」の森を散策した。体調を崩したのでそのリハビリを兼ねて、港区白金台にあるうっそうとした森を軽く歩いてみた。

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 天気は雨模様だったので、森の中は薄暗く、とても静かであった。お蔭で7千歩を歩くことができ、足の筋肉も鍛えられた。さらに、小鳥たちの囀りや瑞々しい草の葉と小さく可憐な花に気持ちもが癒された。

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 園内のほゞ全ての草木には名前が書かれた杭が埋めてあり、興味を抱くきっかけをつくってくれる。足尾で13年間育てている“ふるさとの木によるいのちの森”も、こんな森に育ってくれるといいなあー!という気持ちにさせられた。森は不思議な力をもっているものである。

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 この森には別の「力」もある。近年、5月から真夏日、猛暑日が各地で記録されているが、特に、東京ではヒートアイランド現象(膨大な量の人工排熱とコンクリートやアスファルト表面からの放射熱)によって、これから熱帯夜の日数が増えて今年の夏も寝苦しい日が続きそうだ。

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 しかし、この森の中では気温が3度~5度低く、昼と夜には風下の住宅地に涼しい風が吹き込むという。この冷却する能力は何と家庭用エアコン約4千台分に相当するという。

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 約100年前に植えられたと思われる木々たちを見るとその有難さが分かる。ところが近年、その巨木が豪雨と強風、ゲリラ豪雨によって幹が折れたり、根上り倒伏している。倒れた巨木や折れた幹は散策道路から見えるが、その木々たちは新たないのちを育む「力」を草木に吹き込んでいるようだ。改めて、生物社会の循環には無駄がないことを実感した。

(理事 髙橋佳夫・参考資料:『自然教育園ガイドブック』より)。