木洩れ日に癒されてコミュニティーの原点を考えたい
足尾・松木沢の森ではクリ、ヤマグワ、ウワミズザクラの実が熟するようになった。ここ3年~4年、秋にはクリを茹でて食べ、ウワミズザクラの実や桑の実を美味しくいただく時季になるとその話が楽しい。
猛暑日が続く足尾・松木沢の森では今が草刈りの真っ盛り。クリ、ヤマグワ、ウワミズザクラの近くで作業すると、恵みを与えてくれる木々たちを“大切にしたい”という気持ちが芽生える。
自然の恵みの有難さをスタッフと話していると、その実は誰かに取られたくないという気持ちが芽生える。どういう訳か、自分たちだけが独占したいという気持ちが頭を過ぎる。この気持が優先されると、熊や虫たちと我々との恵みの分配とかという意識が薄れてしまい、独占欲、独占するための悪知恵が人間社会に浸透してきたのではないかと思う。
森に生かされている一員にすぎない人間ということを忘れてしまうと、コミュティーを成り立させている「平等意識、所有欲や名誉意識など個人の欲望を抑える力・・・。」という共同体の原点が退化させられる気がする。日本の一部政治家の言動やトランプさんたちの「〇〇ファースト」を読んだり見たりしていると、彼らは、石川啄木が言う“人類の退化”(大人の絵本・『サルと人と森』森びと著書)の路を進もうとしている気がしている。
足尾・松木渓谷入口の憩いの場所・「みちくさ」の“木洩れ日ガーデン”に癒されていると、こんなことを創造させてくれる。この森の力に感謝しつつ、連日の猛暑日を引き起こしている原因のひとつである人間の暮らし方が気にかかる。地球温暖化にブレーキをかけていく運動のアクセルを踏み込み続けなければならない。今日はそのアクションのひとつを国会議員会館で話し合う。(理事 髙橋佳夫)
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