愛する家族のため、世界の人々のために、いのちを守る森づくりを!
梅雨前線の停滞が長引き、九州地方や本州で豪雨被害が発生しています。
気象庁は9日、活発な梅雨前線の停滞により北海道や沖縄を除く全国で少なくとも12日まで大雨が続く可能性があると発表しました。降り続く雨で各地の地盤が緩んでいるとして「次に大雨が降ればどこで災害が起きてもおかしくない」と警戒を促しています。
7月3日から9日午後5時までの総降水量は鹿児島、高知、和歌山各県で、1000m超、長野県で900mを超えるところがあるなど記録的な雨となっています。(7/10毎日新聞)
この豪雨は川を増水させ氾濫。多くの住宅が水に浸かり、未明の増水によって犠牲者が多く発生しました。山の斜面の森や土壌は許容することのできる水量を超え、植林された樹木ごと土砂が崩れ落ち、山の麓の家屋に流入し住民が犠牲になっています。この痛ましい事態に胸が苦しくなります。被災された皆様にお見舞い申し上げると共に、犠牲となられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
【7月8日 毎日新聞】
熊本県南部を襲った猛烈な雨は、九州を東西に横断するように停滞していた梅雨前線に、南西の東シナ海から暖かく湿った空気が流れ込み、西側の海上で積乱雲が発生。前線に沿って「線状降水帯」が形成されたことが原因だといいます。地球温暖化が進めば更に海水温が高くなり、豪雨災害のリスクが高まることは目に見えます。海水温の上昇は日本だけの問題ではなく、世界の問題です。
【7月8日 毎日新聞】
二酸化炭素を大量に吸収し、地球温暖化の抑制に欠かせない存在として「地球の肺」と呼ばれる南米アマゾン川流域に熱帯雨林があり、その広さは550万平方キロにのぼります。
現在、そのアマゾンの森林破壊が加速しているといいます。「熱帯雨林の6割を占める南米ブラジルでは、新型コロナウイルス流行の影響で、環境保護当局の警戒が手薄になったすきを突いた違法な開発も加速しているとみられています。ボルソナロ大統領の環境軽視の姿勢が、違法な野焼きや森林伐採、鉱山開発などを助長しているとの指摘もあります。火災による消失も含め熱帯雨林の破壊は深刻さを増し、19年度の破壊面積は1万896平方キロに及び、過去11年間で最悪レベルに達した。」(6/28毎日新聞より)といいます。
そして、昨年9月から今年1月に発生したオーストラリア火災では10万3千平方キロ(1/11時点、日本の国土面積の約4分の1以上の大きさに匹敵)にも及ぶ森林面積が消失しました。
「自国ファースト」の結果は、自国民のみならず、世界の人々の生活を脅かせています。今こそ、地球温暖化ストップ!いのちの森づくりへ舵を切らなければなりません。
先日、小黒事務局次長からうれしいニュースが飛び込んできました。「ダボス会議」で知られる「世界経済フォーラム」の動画で、当会最高顧問の宮脇昭先生の森づくりが紹介されているということです。『気候変動の秘密兵器は小さな森づくり。宮脇の森は今ではヨーロッパ各地でも数多く作られているのだとか。世界に広がる森づくりの輪。日本の森づくりも負けちゃいられませんね。』と当会HP「森の風だより」で紹介させていただいておりますので、是非ご覧ください。
2004年宮脇先生と荒廃した栃木県・足尾銅山跡地の現場に立ち、「一番困難な場所で森づくりが出来れば世界のどこでも森づくりが出来る」と、「いのちを守る本物の森づくり」がはじまりました。40㎝ほどの幼木が現在では12mにも生長し、落石を防ぎ、降雨を葉で受け止め根で蓄え、水源涵養、土砂流出防備林として森の機能を発揮し、多様な生き物が暮らす森へと生長しています。
宮脇昭先生は著書『人類最後の日』の末尾に「今こそ、新しい科学、特に生態学的な自然観、知見をもとに、人類生存の母体としての緑—いのちの森―を足もとから、明日に向かって、共に学び、創って戴きたい。君のため、君の愛するご家族のため、日本人のため、七十億人を超えた世界の人々のために、本気で取り組む皆さんとともにいのちのある限り、私は続けます。」と記しています。
各県で活躍する森びとインストラクターの皆さん、森とものみなさん。自然災害を防ぎ、多くの人々の命を守るために、地球温暖化防止に向け、山と心に木を植えていきましょう。
理事・清水 卓
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