木々の恩恵を与る我が家の冬
朝方、布団に入っていると材木がひび割れるような音が聴こえる。この音が聴こえる朝は、外気温が零下4~5度以下になっている。起きて、薪をストーブに入れ、火を付け、身支度をしていると部屋が温まる頃にはその音は聴こえなくなる。
どうやら材木が冷えて、身を引き締めている音のようだ。人間もそうだが、寒い朝になると身体を締める。時間が経つと、材木は薪ストーブの熱を材に溜めて、温もりのある部屋をキープしてくれる。
政府は、2050年排出ゼロ政策の一環として木材利用を推進するようだ。まさか外材推進ではないと思うが、日本の立派な木々を安価で提供してほしい。
エジプトでは2.500年前の木棺が発見され、40歳代のミイラを護っていた。日本でも何千年も人の暮らしを支えている木の家、そして、何百年前の日本の文化を和紙が私たちに伝えている。
木は伐られても私たちの暮らしを支え、枯れて倒木になっても、土に分解する小さな生き物たちの餌となり、それはやがて土になる。この恩恵に与っている私たち。冬至を迎えようとしている今、厳冬の森の中では、木々と生きものたちの命の循環がいつものように動いている。(広報スタッフ・高橋佳夫)
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