脱炭素社会実現に向けて、原発の新増設はあってはならない
菅総理大臣は、10月26日の臨時国会での所信表明演説で、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことをここに宣言する」ことを表明しました。それを受けた形で、11月19日に衆議院が気候非常事態宣言を可決・採択し、翌20日に参議院でも同宣言の決議案が全会一致で可決されました。
これで日本は、脱炭素社会に向けて舵を切ることになりましたが、もろ手を挙げて喜んではおれず、ようやく脱炭素社会の国際的な潮流に乗ったに過ぎないことは言うまでもありません。なぜならば、原発依存を続ける方針を崩していないからです。政府はよく「現時点では原発の新増設は考えていない」と言いますが、2050年のカーボンニュートラル宣言が原発新増設に弾みをつけるものであってはなりません。
小泉元総理大臣は、原子力発電所に依存しなくても、再生可能エネルギーの普及によって達成できるという考えを示しました。
気候非常事態宣言は、「パリ協定」が採択された翌2016年以降、急速に世界で広がりを見せ、国内でも40を超える自治体が宣言しています。政府は温暖化対策に取り組む団体や産業界の代表から意見を聴く「国民会議」を12月中旬に開催することや地方自治体との協議の場を年内に立ち上げる方針ということです。政府による都合の悪いことは覆い隠したり、はぐらかしを認めず、国民が正しく判断できる材料を示していく国民会議に期待するとともに、新生森びともうねりを作り出していきたいと思います。
(筆者:小林敬)
コメント