近所の散歩で考えたこと
気が付くと秋を迎え、朝晩肌寒くなることも多くなりました。いつもの年であれば月に1度は東京から足尾に入り、森作業で気分転換を図ったりもできるのですが、今年も昨年に続きコロナが落ち着かず、なんとも窮屈な日々が続いています。
足尾に入る機会も限られているうえ、不要不急はできるだけ避けるとなると必然近所の散歩の比率が上がります。比較的緑が多いところで、近所の緑で四季も感じることができますが、いろいろと考えさせられるできごとがいくつか重なりました。
都市の中で400年、農業を続けている古いお屋敷があります。大きなケヤキに守られた美しい屋敷林ですが、初めてそのケヤキが伐採されていました。400年続くお屋敷は広く知られていて、DVDでもその近況を知ることができます。それを見ると、本当に仕方なく伐採したということが伺えます。愛着のあるその木を何故切らなければならなかったか。お年を召した家主の、切株を触りながら寂しそうに話をするシーンを見て、何とかならなかったものかなぁと思ったのは僕だけではないと思います。願わくばこの屋敷も林もこのままずっと残して欲しい。。。
すでに住む人の居ない大きな古い屋敷がありました。何やら噂には、昔オオカミ博士が住んでいたとか。大きな森に見えるその場所を久しぶりに通るとすでに跡かたなくマンション建設工事が始まっていて・・・。こちらも後で調べると自治体に寄贈する案が出ていたにもかかわらず、費用等の問題で転売が決まったのだとか。数本だけ残された樹を、マンション側は”ウリ”にしていると噂では聞きました。大方、「私たちはSDG'sに貢献しています。」なんてことを謳うんだろうな(勝手な想像です)。
毎年見事に花を咲かせる緑道のサクラもあっという間に伐採されました。気候変動の影響も伐採圧に傾いているようです。ソメイヨシノって弱いって聞かされてますし、倒れたら危険、って言われると誰も文句を言えません。近頃の嵐は想定外ですからね。
枯葉が邪魔だから、虫が嫌いだから、暗闇が危険だから、〇〇を作るから・・・。大きな木も、ゆっくりと時間をかけた緑の循環とそこにある多様性も、壊すのはあっという間。こういうことの積み重ねが、今の人為的な気候変動につながっている気がしてなりません。さてどうしたものか、と立ち止まりつつ、ひとつひとつの命を大切にしていくしかないのだろうな、と改めて思った秋の入り口でした。(運営委員 小黒)
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