マレーシアで考えた持続的な開発
前回、この欄に投稿してから3ヶ月、世の中変わらないのはコロナだけ、いや新型コロナウイルスは変異株のオミクロン株になり、さらに大変なことに。長野でもとうとう「まん延防止措置」がこの27日から始まることになりました。
そうしたなか、2年前のちょうど今頃、マレーシアの義弟のところへ義母を伴い、10日ほど遊びに行っていたのを思い出しました。写真は現地のマーケットですが、今見ると誰もマスクをしていないのが奇妙に感じてしまいます。あの頃は平和でしたね。
向こうで感じたのは、とにかく人々がパワフルで、エネルギーに満ちていること。出歩いたのはクアラルンプール周辺とマラッカだけですが、土木工事はあちこちで行なっているし、都心の電車は10分おきにくるし、街中は夜中まで人で溢れていました。
調べてみると、2020年の平均年齢はマレーシアが29歳、日本は48歳。私は日本の平均年齢を大きく押し上げているのですから、下手なことは言えませんが、まあそういうことです。
もちろん問題もたくさんあると思います。多民族、他宗教国家ですから、それだけでも大変。また、空港へ降りるとき目に入るのが、アブラヤシの見事なまでの一成林。この実から精製されるパーム油は手頃な価格の植物油脂として、日本でも食品や化粧品など多岐にわたって使われています。世界での生産は85%近くがインドネシアとマレーシア。需要の拡大と農園のため伐採される熱帯林の現状を考えれば、持続的な生産と消費者側の賢い消費が求められます。パーム油に関してはRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証がありますが、こうした取組みの進展を期待しています。
マレーシアでは計画的な首都機能の移転も行われています。現在ではクアラルンプールから25キロほど離れたプトラジャヤへ多くの政府機関が移りました。写真は首相官邸です。
この土地にはもともとアブラヤシ農園があったとのこと。周辺には自然に囲まれた先進的な官庁街が整備されており、政府は低炭素グリーンシティを目指すとしています。写真のピンクモスクでは多くの人が礼拝に訪れていました。
環境問題を考えるには、国内だけでなく世界の状況へも目を配りたい。そのためには、他国を見るのも大きな手助けになります。まあ、そんなのは屁理屈で「海外へ行く自由が欲しい」というのが私の本音ですが。ちなみに冒頭に記した義弟はその後インドネシアへ転勤となり、日本には一度も戻れずにいます。(運営委員・井上 康)
コメント