草木は人間にパワーを与える。ブナ保護活動を通じて気候変動・温暖化への危機感を共有。企業、行政、市民が手を取り合おう!
5月1日、元号が「平成」から「令和」へと改元されました。森びとの一員として、人間のいのちと自然環境を守る心を育むために、森と共に生きる時代へと歩を進めていきたいと思います。
働くものにとっての5月1日は、133年前の1886年米国シカゴで労働者が1日8時間労働を求めゼネラルストライキを起こしたことに由来する“メーデー”です。
筆者も現役の労働者として地元栃木県の地区メーデーに参加をしました。最近は、ゴールデンウイークの最初の土曜に開催されることが多くなりました。今年は4月27日でした。労働者の地位や労働条件向上、民主主義の発展を目指したメーデーは、多くの労働者とその家族が参加するため、広い公園で開催されています。木々に囲まれた公園内は各労働組合ののぼり旗がはためき、芝生の上では小さな子供たちが元気に走り周っています。緑の下で自然と体が動くのは草木のパワーをもらっているからでしょうか。
栃木県内初のメーデーは1921年(大正10年)に銅山の町・足尾で開催されました。鉱山労働者が集まり要求実現に向け気勢を上げていたことでしょう。明治期の富国強兵・殖産興業政策で飛躍的な発展を遂げ、日本の経済発展を支えた足尾銅山。ふもとの労働者のたたかいや活況の銅山の様子、山火事や煙害によって森が失われていく様子を中倉山の頂上から見続けた“ブナ”に4月29日会いに行ってきました。
森びとプロジェクト委員会「春の感謝デー」、3回目となる恩送り事業です。ブナ北側斜面の土壌崩壊により、木々にとって一番重要な根端が地表に露出しています。根を守ろうと、1昨年は根を踏んでいた登山ルートを林野庁の指導や登山者の理解を得ながら少し迂回するルートへと変更をさせていただき、昨年は、土壌の流出を止めようと土留めをつくり黒土を入れました。しかし、雨によって黒土が流出してしまいました。今年は草の種の入った土のう袋に土を入れ、崩壊地に張り付けました。ふもとから10ℓの培養土15袋と土のう袋30枚を担ぎ上げ保護作業を行いましたが、全体から見るとほんの一部分です。
北斜面の土壌崩壊はさらに進んでいるようです。参加した皆さん一同「何とかしなければ」と“ブナ”を通して気候変動・温暖化に対する危機感を共有しました。人類生存の危機としてとらえ、すべての人々の未来のために、企業、行政、市民が手を取り合い“ブナ保護”を通じて環境問題への関心を高め、温暖化ガス吸収源の森や海を元気にしていきましょう。
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