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2020年2月

2020年2月29日 (土)

有権者の政治参加なくして温暖化は防げない

 春がやって来た!と喜んでいられないのが今年の3月だ。特に、受験や卒業式、終業式そして入学式や入社式を心待ちにしていた子供たちや社会人にとっては、新型コロナウイルス感染対策で日本の慣習を体験できなくなってしまうようだ。気象庁は「大暖冬」ということなので、大好きな花見の開催も怪しくなってきそうだ。これまでの五感を磨き上げていかなければと思ってしまう。

P6074981  季節の移り変わりが変化している気配を見極めなければと思う。このままの暮らし方を続けていると、人間の手におえない季節を迎えてしまうのではないかという不吉な気配がする。

P5050554  そうなる前にできることは何か、エコな暮らし方に転換するだけでは間に合わない気がする。何故なら、温室効果ガス排出量トップの中国、次のアメリカ、3位のインドそして日本政府は、2050年までに排出ゼロにするという考え方を示していないからだ。自然の吸収力は衰弱し、排出は増え、濃度が高くなって、排出された二酸化炭素が消えていくのには100年以上の時間がかかる。

7  国が動かないことには手におえない気候変動が起こってしまうということは誰でも感じていると思う。下旬に開催される当会の通常総会ではこの事を主張したい。(事務局 福澤 猛)

2020年2月16日 (日)

暖冬の要因はインド洋の海面温度上昇なのか

 気温の差が18度もあった昨日(2/14)の長野県。雪の下で雪解けを待つ植物は、今年、雪が無く地表が凍っているので氷解けを待っている。冷凍食品を解凍しているようなだ。山菜の味や香り、そして灰汁の濃さにも微妙な変化があるのかと心配だ。

Photo_3  ノルウェーも暖冬で雪が少なく、トナカイ餌である苔が雪の下でなく氷の下で生えている。いつものなら雪をかき分けて苔を食べるが、今年は、氷を前足で割ることができないので苔が食べられないという。

Photo_4  オーストラリアの森林火災は今月上旬の豪雨で峠を越したらしいが、まだ、鎮火したという報道はない。森林火災面積は日本国土の半分ほどになり、森林火災による二酸化炭素排出量はオーストラリアが年間に排出する二酸化炭素排出量の半分以上が排出されたという。

1_2  20200213 『毎日新聞』より

高温、乾燥、火災そして洪水という災害は、どうやら海水温度の影響らしい。インドの東と西の海面温度の変化が例年の様にならず、東側の海面温度が1月頃まで冷たく、西側の海面温度も高かったという。東側の海面温度が高く、期間が長いと暖かく乾いた空気がオーストラリアに流れ込み、それが高温、乾燥の原因となる。このインド洋の東西で海面温度が平均値よりも大きく異なる「インド洋ダイポールモード現象」が、オーストラリアに異常高温をもたらしたのではないかと言われている(『毎日新聞』より)。

Photo_5  日本の暖冬もアフリカ砂漠で発達した高気圧がジェット気流を介しているのではないかという。とにかく、海水温度が高くなり、多量の水蒸気の動きが一因らしい。

2_2  大寒前後の厳冬の庭先で作られる氷餅が、今年は機械で凍らせないと作れないという。秋田の人は、機械で凍らせた氷餅は焼き上がりも味も違うと言っていた。世界中でいつもの命の営み(循環)が狂いだしている。海洋や大地からのメッセージは、温暖化にブレーキをかける“暮らしの変革は待ったなし!”ということではないか。きわめて政治の問題である。(理事 高橋佳夫)

2020年2月 2日 (日)

オナモミから感じる”森はともだち”という心

 子供の頃は夏は木登り、クチボソ釣りや川遊び。冬は神奈川の自宅前でも雪が30cmは積もり、そり遊びやユキウサギを作って季節ごとに自然に遊んで貰っていました。その体験が、今、有難く思っています。野外教育のお手伝いをさせて頂く機会があり、都内の園児〜小学校低学年の児童たちとキャンプや合宿、遊びやハイキングを通して一緒に自然の美しさや大きさを学んでいます。
 子供たちは生活圏に緑がなく、親御さんを離れて突然自然と触れ合いながら「いかに遊ぶか、何をどう食べるか」を通じて自然との繋がりをいつも探っています。 
 「くっつきむし」や「ひっつきむし」と呼ばれるオナモミという野草は、どこの原っぱにもあり衣服にくっ付いて、全身につけて家に帰って怒られるというお馴染みの植物です。秋の合宿で出会った小学校2年生の女の子は、オナモミを初めて見る子でした。
 彼女はポンチョと長靴を履いて、雨の農道を歩きながらアジサイや畑の野菜を見て「なんの野菜だろうね?」とクイズをするも浮かない表情でした。それがオナモミの実を見つけ服に付けると目をキラキラさせて実を探し、着ていたポンチョをめくって自分の腕にドンドン付け出します。友だち同士できゃーッと投げ合いながら、駆け回り始めました。

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 更に、虫博士の小学校1年生の男の子がキアゲハの幼虫を見つけて、葉っぱごしにツンツンと触ってみます。オレンジ色の臭覚がニョキっと出てきて、子どもたちは初め幼虫の見た目の怖さと臭いとで逃げ惑っていました。それでも好奇心が大きく勝り、虫が嫌いな女の子も勇気を出して葉っぱごしでも、自然の生きものと触れ合おうとしていました。

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 雨の中のハイキングでは、子どもより背の高いススキや猫じゃらしを素手でぐんっと引き抜いて、長靴で山を歩きながら両手に「おまじないのススキ」を持って山の神様に唄をうたいながら歩き始めます。唄の意味は教えてくれませんでしたが、虫や鳥の巣を探しながら全身で山も雨も楽しんでいました。

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 住宅地に戻ると、子どもたちは近くの水路(幅約1.3m、水深は10cm)を見つけ「川遊びがしたい!」「(水路に)降りて良い!」とキラキラした表情を見せてくれました。着替えと靴はある為「安全に降りれる場所があったらね」というと駆け足で降り口を探し、水遊びに夢中になりました。履いていた長靴に水を溜めて、全力で私たち大人に掛けてきました。住宅地を流れる小さな水路でも、彼らにとっては山から流れる小川のようで、雨が降る寒い夕方の川遊びが楽しそうでした。
 普段は屋内などの安全なスペースで遊ぶ子ども達も、農道や里山などで遊ぶことで「知らない、苦手」だったことに興味が湧いて、好きになっていくことがわかります。昆虫や野生の動物の息づかいを感じ、そのような中の存在である人間、森は友だちであることの繋がりを五感で感じとっているようです。”森は大切な友だち”という心を、子供たちと耕している私ですい。(事務局 太宰初夏)