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2020年2月 2日 (日)

オナモミから感じる”森はともだち”という心

 子供の頃は夏は木登り、クチボソ釣りや川遊び。冬は神奈川の自宅前でも雪が30cmは積もり、そり遊びやユキウサギを作って季節ごとに自然に遊んで貰っていました。その体験が、今、有難く思っています。野外教育のお手伝いをさせて頂く機会があり、都内の園児〜小学校低学年の児童たちとキャンプや合宿、遊びやハイキングを通して一緒に自然の美しさや大きさを学んでいます。
 子供たちは生活圏に緑がなく、親御さんを離れて突然自然と触れ合いながら「いかに遊ぶか、何をどう食べるか」を通じて自然との繋がりをいつも探っています。 
 「くっつきむし」や「ひっつきむし」と呼ばれるオナモミという野草は、どこの原っぱにもあり衣服にくっ付いて、全身につけて家に帰って怒られるというお馴染みの植物です。秋の合宿で出会った小学校2年生の女の子は、オナモミを初めて見る子でした。
 彼女はポンチョと長靴を履いて、雨の農道を歩きながらアジサイや畑の野菜を見て「なんの野菜だろうね?」とクイズをするも浮かない表情でした。それがオナモミの実を見つけ服に付けると目をキラキラさせて実を探し、着ていたポンチョをめくって自分の腕にドンドン付け出します。友だち同士できゃーッと投げ合いながら、駆け回り始めました。

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 更に、虫博士の小学校1年生の男の子がキアゲハの幼虫を見つけて、葉っぱごしにツンツンと触ってみます。オレンジ色の臭覚がニョキっと出てきて、子どもたちは初め幼虫の見た目の怖さと臭いとで逃げ惑っていました。それでも好奇心が大きく勝り、虫が嫌いな女の子も勇気を出して葉っぱごしでも、自然の生きものと触れ合おうとしていました。

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 雨の中のハイキングでは、子どもより背の高いススキや猫じゃらしを素手でぐんっと引き抜いて、長靴で山を歩きながら両手に「おまじないのススキ」を持って山の神様に唄をうたいながら歩き始めます。唄の意味は教えてくれませんでしたが、虫や鳥の巣を探しながら全身で山も雨も楽しんでいました。

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 住宅地に戻ると、子どもたちは近くの水路(幅約1.3m、水深は10cm)を見つけ「川遊びがしたい!」「(水路に)降りて良い!」とキラキラした表情を見せてくれました。着替えと靴はある為「安全に降りれる場所があったらね」というと駆け足で降り口を探し、水遊びに夢中になりました。履いていた長靴に水を溜めて、全力で私たち大人に掛けてきました。住宅地を流れる小さな水路でも、彼らにとっては山から流れる小川のようで、雨が降る寒い夕方の川遊びが楽しそうでした。
 普段は屋内などの安全なスペースで遊ぶ子ども達も、農道や里山などで遊ぶことで「知らない、苦手」だったことに興味が湧いて、好きになっていくことがわかります。昆虫や野生の動物の息づかいを感じ、そのような中の存在である人間、森は友だちであることの繋がりを五感で感じとっているようです。”森は大切な友だち”という心を、子供たちと耕している私ですい。(事務局 太宰初夏)

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