見えない恐怖と向き合える時間を無駄にしない
友人から電話とメールがあった。コロナ感染を心配して電話をしてくれた。彼は、息子が務める会社の事務系社員は自宅待機だが、電車の車掌をしている息子は普段と変わらない。お客は少ないが接触する機会が多いということで、息子への助言を求めていたと察知した。
暫らく経って、女性の森ともからメールが届いた。要約すると、「ウイルスによって社会や経済活動への価値観の大転換が求められている私たち。身の回りではウイルス感染が終わらない不安や崩れる人間関係、将来のプランに体調や心を病む方が増えています。コロナウイスル終息後の世界が、新たな人間社会の形成と共に希望に溢れた生活になることを願っています」ということだった。
新型コロナウイルス感染防止の最前線で奮闘している医療関係者には心から敬意を表する。さらに、暮らしに欠かせない生活環境を整えている方々にも心から感謝する。
友人には、息子さんが加入している労組に相談して、労祖役員と息子さんの心をひとつにできるように努力してもらっては、という話をした。森ともには、“希望に溢れる生活と人間社会を描き実現したいですね”と返信した。
厚生労働省はコロナ感染最前線で働いている医療関係者(一部)の報酬を特別に引き上げた。連合や野党が政府へ要求した結果なのかは分からないが、労働現場や社会的弱者の生活現場を支える連合や野党の運動が見えない。関係者に問い合わすと「やっているのだがマスメディアが取上げてくれない」という言葉が返ってきた。人のせいにするのはいかがなものか。
初めて経験している新型コロナウイルス感染の恐怖。心身ともにコロナ疲れが出てきているが、労働現場や生活現場で生きる弱者の私たちに、ウイルスは何を問いかけているのか。見えない恐怖と向き合う時間を大切にしたい。こんなきっかけをくれた友人、メールを送ってくれた森ともに感謝したい。
(理事 髙橋佳夫)
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