コロナ禍1人では弱いけれど、仲間がいれば乗り越えられる
今月 25 日に、緊急事態宣言が全国すべてで解除されました。自粛生活の終わりや経済活動の再開を期待する一方で、新型コロナウイルスの終息が見えないことへの不安の声も聞かれます。人類は新型コロナウイルスに対して未だ武器(感染を防ぐワクチン、発症を抑える治療薬)を持ち合わせていません。この武器が完成しなければ、残念ながらこの闘いは暫く続きます。
今回の新型コロナウイルスは、行き過ぎたグローバリズムによって全世界に急速に拡がっていったと思います。歴史を見ても、人間は生活を豊かにしていくために世界中で動物の生
活圏へと入り込み、自然を破壊する行為をしてきました。そのことへの反動としてのウイルス感染であり、頻発する自然災害に対して人間は無力であることを実感しています。
そして、ウイルスの恐怖に怯え、パニックになり、食料品やマスク・トイレットペーパーなどの買い占めや転売が起きた報道を見ると、周りが見えなくなり、誰しもが自分ファーストに陥ってしまう弱い面を持っていることを感じました。
また、マスク不足が深刻になって肌で感じたのは、日本では資源の多くを輸入に頼っているということです。農水省の HP によると、平成 30 年度の食料自給率は、カロリーベースで37%、生産額ベースで 66%となっています。海外依存からの脱却や他県からわざわざ環境に負荷をかけて経済を回すことなく、地域でヒト・モノ・カネを循環させ、雇用やコミュニティ―を生み出すことが必要だと思います。そのためにも、長い目で見て、ウイルスと共存共生していく現実を受け入れて、○○ファーストではなく、周りの人と協調し、他人の心を思いやりながら共に支えあう社会づくりを模索していきたい。
(東京事務所・小林敬)
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