無知は命を縮めることにつながる
GW期間中に庭木の枝の片づけと草取りをしました。その時、地面には苔が生えていることに気づきました。庭に苔類が生えるのは当たり前ですが、実は、2年前の横着した草取りで除草剤を使い、その効果はてきめんし、苔は生えていないと思っていました。除草剤はテレビCMで宣伝していたラウンドアップというアメリカ製でした。薬を撒いた後はカチカチの土になり、ぺんぺん草も生えませんでした。翌年、草は生えたましたが苔類は見当たりませんでした。
投稿に当たり、この除草剤を調べてみると、「この除草剤が世界中で大問題になっている」ということでした。恥ずかしい限りです。今年1月、フランスではこの除草剤とその関連商品の販売を禁止していました。2015年には、世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「発がん性がある」と発表していました。2017年には、米国政府の研究で、急性骨髄性白血病との関連があることとアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘していました。
この除草剤の危険性が問題にされた歴史は古く、1996年には製造企業が「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝したそうです。このフレーズはつい最近耳にしたフレーズと似ている気がしました。
日本政府が福島原子力発電所の放射能汚染水を海に放流する考えを示しましたが、その時の、「飲んでも問題ない」(某大臣)という発言とそっくりです。妻に、この発言をどのように思うと訊いたところ、即、「見せてもらいたわ」でした。私もそのように思いました。
この除草剤は世界的に危険な薬剤になっていますが、店頭で簡単に手に入るのは「先進国」では日本ぐらいでしょう。国民の命や土を守らなければならない日本政府の態度は、放射能汚染水の海への放流を判断したことと同じことです。コロナ禍でも感染対策のゴテゴテにみられるように、国民のためにと言っても、政治家のお友だちの「国民」のための政治に思えてなりません。
「国民のために」というフレーズに騙されないようにしなければと思います。草や苔も私たちの生存を支えているという視点をもって社会の出来事を振り返ってみたいと思います。(秋田県FC・大山博延)
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