2021年12月16日 (木)

真鶴半島の森の中で”ハチドリの一滴”を決意

 先日、近くの公園を散歩していると、散歩路が銀杏の葉が落ちて黄金色の絨毯のようになっていました。秋の深まりを落ち葉が演出し、冬本番を迎える前の穏やかで暖かなひと時を感じました。1639027720106 神奈川県FCは、先月、「山と心に木を植える」を合言葉にして活動をスタートしました。その一員の私は、「ハチドリのひとしずく」のように、自分にできることを淡々と継続していけることが好きです。1639537912787_dscn0252 そんな気持ちをもって、活動の第一弾として保安林を散策してきました。小田原藩が萱原だった真鶴半島には江戸辞退に植林された15万本の松が魚つき保安林の中に生きています。歴史的には、江戸の大火によって大量の木材が必要になり、伐採後に植えられたそうです。Dscn0250Dscn0251
 この魚つき保安林を散策してきました。360年前に人工的に育てられた森でも、魚つきの森と言われているように、森林がつくりだすミネラルや腐殖酸による栄養塩類の吸収能力が高められ、海の生き物の住みかとなる森(海藻)が育ち、地球のすべての生きものの基盤を健全にしている様子が感じられました。Dscn0254 この森には、スプリンクラーが設置されており、これからも豊かな森を守っていました。改めて森と暮らす大切さを感じました。再スタートをきった神奈川県FCですが、その一人として、待ったなし!の地球温暖化STOPへの暮らしを切り拓いていきたいと思います。以前やっていたどんぐり拾いから苗づくり、そして大地にその苗を植える活動を再スタートさせていきます。この活動に賛同してくれる仲間に呼びかけて、来年の足尾「里親植樹」に参加していく意思が固まった一日でした。

(神奈川FC  鈴木正雄)

2021年12月10日 (金)

花嫁街道整備を通じて温暖化防止へ心をひとつに

勤労感謝の日(11/23)は、暦の上では「小雪」で雪が降り始める頃でしたが、千葉県南房総市では小春日和にめぐまれました。私たちは、新日本百名山の「烏場山」に上る途中の階段が崩れているということで、その階段の補修ができないかと思い、その下見と準備を兼ねて現その場に行ってきました。階段用の間伐材を準備し、本番では作業がしやすいように準備してきました。Dsc_0074 23日の南房総市付近の紅葉はまだ早く、登山道の足元では小さい花が咲き、訪れるハイカーの目を楽しませていました。森の中で間伐材を作っていると、木々の緑が目に優しく、木々から発せられるマイナスイオンと枝が運ぶ風の音で気分が落ち着きました。Dsc_0068Dsc_0077 その上、メジロやウグイスの鳴き声を聴いていると日ごろの疲れが癒されていることが感じます。喧騒な街で生活している私にとっては、森の恵みのパワーが元気の素になることを嬉しく思います。Dsc_0058Dsc_0065 10月に行った地球温暖化にブレーキをかけられないかと行った地域の方々との森作業の意味を来年につなげていきたいと思っています。シニア世代が心をひとつにして、花嫁街道の整備を通じて次世代への恩返しつくりだしたいと思っています。年末から新年にかけても想定外の異常気象の猛威を気にしながら、できることを継続していきたいと思います。各県FCの皆さん、健やかな新年を迎えてください。Dsc_0072
(森びと千葉県ファンクラブ・相川、武田)

2021年12月 9日 (木)

世界を旅する“小友沼”の渡り鳥

 10月の地元紙には「朝空を覆う」「小友沼に渡り鳥2万5千羽」という記事と共に、朝日に照らされて羽ばたいて行く無数の渡り鳥の写真が掲載されていました。小友沼は、秋田県能代市にあり、国内有数の渡り鳥の飛来地として有名な場所です。

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 渡り鳥は、9月中旬頃から小友沼を経由し、宮城県や新潟県に南下して冬を越し、翌年の3月下旬頃から繁殖地であるロシアのシベリアやカムチャッカなどを目指し北帰行します。その途中で、小友沼で羽を休め、再び、北を目指します。その時も、10万羽もの渡り鳥の勇壮な光景がみられます。11月30日(火)に小友沼に行ってみました。この日は、最高気温、15.1℃で10月~11月上旬の気温となり、冬の能代には珍しく、風もなく穏やかな一日でした。すでに渡り鳥は、南下したようで静かな小友沼になっていました。

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 周辺のカシワは、特徴である葉を落とさず茶色に色づいていました。また、観察小屋が設営されており、中には入ることは出来ませんでしたが、様々な野鳥の写真が貼ってありました。驚いたのは、その観察小屋の側面に、トンボが数匹へばりつき、貴重な日差しを浴びていたことです。夜の気温は5℃以下となる中、生き延びている姿に感慨を覚えました。寒いとはいえ、温暖化のおかげで命を繋いでいるのだろうと想像しました。小友沼で野鳥の観察活動を行う“おとも自然の会”によると「例年に比べ、マガンは7~10日、ハクガンやハクチョウは20日以上飛来するのが早く、近年の異常気象が影響しているのではないか」とのことでした。

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 私達の地球温暖化を防ぐ取組みは、人間のためだけでなく、季節を敏感に感じ、何万キロも旅をする渡り鳥やトンボなどの生態系を守るためにも、大切な取り組みだと認識することのできた一日でした。

(秋田県FC:今村 博)

2021年12月 6日 (月)

臼沢の森をさらに生態系豊かな森に育てたい

 臼沢の森を眺めていると、クマが岩の上で休み、イノシシの親子が土の中のミミズを探し、落ち葉の下ではササラダニなど土壌動物たちが落ち葉を食べ土づくりに精を出している様子が目に浮かんできます。

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 生態系が豊かになってきたと感じる足尾の臼沢の森で、気になるところがあります。最初(2005年)に植樹した臼沢斜面の森内には、現在、草や芝類を殆んど見る事が出来ませんが、木々はしっかり根を張り土砂流失や落石を防ぎ生長しています。

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  この場所も植樹(補植)をする前は、芝草(ケンタッキーブルーグラスやウィーピングラブグラス)は生えていました。しかし現在は生えていません。他の斜面や緩斜面には、ヘリコプターによる航空実播工などで散布された芝草が所狭しと生えています。

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 足尾から群馬県方面に向かい、幾つかの山を越えた所にある山が吾妻山で、私が子供頃に住んでいた地域の裏山になります。その里山は、コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、エノキ、クリなどで形成されており、薪や炭、茸菌を植え付ける原木として重宝されていました。林床は山芝や腐葉土が豊富で、毎年落ち葉刈りがされても、土壌がむき出しになることはありませんでした。

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 この山では、春は山菜、秋は茸、冬は自然薯と美味しい清水を享受することが出来ました。その里山を振り返ってみると、根の部分は豊かな落ち葉と柔らかい草で覆われており、足尾の臼沢の森の林床とは大きく異なっています。

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 森びとプロジェクトの「生態系調査チーム」に提案し、山芝を植えて林床の変化を観察していきたいと考えています。主木を中心とした三役五役の木々、それらを支える林床の「森」を元気にして、臼沢の森を更に生態系豊かな森へと育てていきたいと思います。(東京FC:松井富夫)

2021年12月 3日 (金)

青空の下で、「命を守るみどりの防潮堤」の生長を観察しました。

 師走となった12月1日、宮城県ファンクラブの仲間達12名で、青空の下、仙台市荒浜と名取市閖上の「いのちの森」の観察会を行いました。

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 2013年に植樹した荒浜の森では、常緑樹を中心に40本の補植を行い、クズのつる刈りと下枝払いを行いました。樹木も成長し、小さいながらも森の防波堤が築かれています。

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 2015年に植樹した名取の森は、今年4回の育樹作業を行いました。200本の補植と除草・つる草刈り・下枝払いなどの森作業を通じて、森に寄り添う暮らしを目指すことや、本物の森を再生し自然災害から命を守ることに、少しでも役に立ってほしいとの願いをファンクラブの仲間達と共有してきました。

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 海岸線に緑豊かな森を蘇えらせ、「命を守るみどりの防波堤」を築いて、防災力を高める機能を発揮できるよう、来年も引き続き育樹作業を継続して、未来に「いのちの森」を残していきたいと思います。

(報告:宮城県FC 林 雄一)

2021年11月30日 (火)

気候変動対策は前向きなアップデート

 世界的な原油高騰が価格に上乗せされて、秋から冬にかけて生活用品、食料品、ガソリン代等、様々なものが値上げをし、家計を直撃しています。日本は多くのものを輸入に頼っており、輸送にかかる燃料代も高騰し、今後も家計に重くのしかかってくることは確かです。

Photo_4 先日、政府は原油高を抑えるために国家備蓄していた石油の一部放出を決め、原油価格を引き下げようとしましたが、産油国と消費国とのせめぎあいもあり、根本的な解決には至りません。

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 COP26では、190の国と企業が石炭火力発電段階的に廃止し、新しい石炭火力発電への支援を終了する共同声明が発表されました。しかし、日本をはじめアメリカ、中国、インドなど、世界最大の石炭依存国の一部は、脱石炭に関する文書に署名しませんでした。世界の潮流は「脱石炭」ですが、日本は2回連続で「化石賞」をもらうなど、温暖化に消極的であることがまたぞろ世界中に明らかになりました。Photo_5 価格の変動リスクの高い化石燃料頼みではなく、再生可能エネルギーの拡大や原発ゼロを実現させなければ、人間の生存が厳しい環境になってしまいます。

Photo_6 地球温暖化にブレーキをかける以前に、今日・明日の生活が心配だという声も出ると思います。国立環境研究所の江守正多さんはテレビ番組で「気候変動対策は我慢だと思っている人が多い。そうではなくて、これは前向きなシステムのアップデート、社会のアップデート」と仰っていました。消極的ではなく前向きに、船や飛行機で多くの燃料を消費し環境にも負荷をかける食やエネルギーの利用ではなく、「安全・安心」の点からも地産地消や国産のものを意識して選ぶライフスタイルを発信していきたいと思います。

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2021年11月27日 (土)

森びとの要望書が反映する「森林破壊30年停止宣言」

 10月31日~11月13日にイギリス・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に参加した国・地域が、温室効果ガスの吸収源となる森林の破壊を2030年までに停止し、荒廃した土地を回復させるとする「共同宣言」を発表しました。「共同宣言」には、日本を含め世界の森林の8割以上を抱える130ヶ国・地域が署名しました。
 

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 この宣言は、世界の森林面積の86%の国と地域、オーストラリア、ブラジル、カナダ、インドネシア、など森林破壊が進む国々が参加し、持続可能な森林や生態系の保護を進める事を約束したことに大きな意義があります。気候変動の危機に直面するとは言え、日本も含めて「森林の保全と回復」をする宣言であり、先住民を無視した開発や経済優先の政策にしてはなりません。

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 私たちは、COP26の開催2か月前に、国連グデーレス事務総長や議長国イギリス・ジョンソン首相とシャルマン議長に「2050年CO2排出実質ゼロ」への要望書を提出しました。

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 「国連加盟国は、国際CO2削減デーを設け、全国民による森を健全にする活動の実施。熱帯雨林等の貴重な自然資源の開発を規制する具体的な提案をし、その実行のための努力目標を2040年まで継続する。」とした私たちの要望が、世界各国の首脳と共有できたことであればとても嬉しく思います。各県FCの皆さん、会員の皆さんのご支援に感謝します。

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 しかし、ブラジルでは2020年8月から2021年7月の1年間に長野県の面積程の森林が消失しています。COP26が閉幕した後の公表ですので、ブラジル政府の真意はどこにあるのか分かりません。どこの国でも、最後は市民の怒りの声が大事なのだということではないでしょうか。

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  森びと各県ファンクラブの皆さん! 

 日本をはじめ世界各国で凶暴化する異常気象が国民の命と暮らしを脅かしています。次世代が地球上で持続的に生存できる基盤を健全にしていくために、共に “山と心に木を植える”活動を、地域から粘り強く、市民との話し合いを“継続・実行”して行きましょう。

(運営委員・大野昭彦)

2021年11月24日 (水)

来春は城山の桜が見事に咲きますように!

 久しぶりに日光板橋「城山・ふるさとの森」に行ってきました。9月26日の草刈りの時以来でした。今回の目的はふたつ。一つは昨年7月に植えた23本の桜に有機化成肥料を撒くこと。そして日光連山に沈む夕日を見ようと思い立ったのが二つ目の目的です。紅葉はもう終わっていましたが、モミジがまだ紅色を少しだけ残していました。

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 急登の階段を登り杉木立の中を抜けると、昨年10月17日に栃木県ファンクラブ主催で植樹祭を行った「城山・ふるさとの森」です。木々の葉は落ちていましたが、植えた苗木は一年前からだいぶ伸びて生長しているようで安心しました。数年後には、新緑や紅葉で私たちの心の癒しとして、水を貯え、温室効果ガス(CO²)も少しですが吸収する命の森になることを願って育てていきたいと思います。

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 早速、目的の一つである桜に肥料をやりました。秋の日はつるべ落としと言われる通り、肥料を撒いていると、男体山方面ではなく足尾方面の山に陽が沈んでいきました。二つ目の目的を見ることができ、しばらく物悲しい夕暮れの余韻に浸っていました。

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 下山すると、丁度JR日光線の電車が走っていきます。来春には電車の中から満開の桜が見られるといいなぁと思いながら、帰途に着きました。

(報告:栃木県FC加賀春吾)

2021年11月21日 (日)

文間根本寺便り

 ここ茨城県では今年、シラカシ、アカガシ、コナラは多くのどんぐりを落としているようです。早い気温の低下に慌てて落とし始めたように感じます。始めは少しづつ、徐々に数が増え、それに合わせてゾウムシが卵を産みつけています。やがては間に合わない数のどんぐりを落とし、生き残りをはかっているようです。木々の自然の中で身に付けた戦略と思えて驚きです。

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 4月頃、鮮やかな黄色い花をつけるキンラン

Photo_3 樹上を見上げると、何本かの大樹の枝葉が隙間なく空を埋めています。枝は重ならないようそれぞれのテリトリーを主張し、せめぎ合っているように見えます。競争しながら共存しているということでしょうか。そんな事を思いつつ、私は庭木の枝を切っていますが、一言「いままでありがとう」と呟いています。そんなことを考えて、作業はゆっくりになります。木を植えることを学んできましたが、最近は伐ることの方が多くなっています。山であれ畑であれ、人間が手を入れた所は後々も面倒を見なければならないと思っています。Photo 作業を始めた文間根本寺(もんまこんぽんじ)の山際は、樹木もありますがほぼ竹林となっています。この森を管理される場所にするために、竹を伐っていかなければなりません。まずは倒れた竹の除去と竹の間引きから始めて環境を整え、その先に生きる木々を元気にしていく。時間はかかるが一歩一歩前を進み、故・宮脇先生が育てた横国大のような森の「ふるさとの木による森」を目指したい。

県FCの皆さん、よろしければ遊びに来てください。(報告:茨城県FC・大津 崇)

2008_3 横浜国大の森(2008年当時)

2021年11月19日 (金)

森びと神奈川県ファンクラブを結成しました

 11月4日、私たちは静岡県伊東市にある「伊東さつき会館」において「森びと神奈川県ファンクラブ」を結成しました。

2 9月に神奈川県ファンクラブ結成の準備をはじめ、2回の実行委員会を積み重ねました。規約づくりとともに議論してきたことは、県ファンクラブを作り上げて、森びとの活動を支えていくこと。主にJRのシニア世代が中心ですので、現役世代に人間は自然に生かされていることや権力に立ち向かう心構えを還元していくこと、等です。具体的には、規約の事業目的である”自然環境と命を大切にする心を育む人づくり”を目指し、そのための森づくりを地道に続けていきます。弱っている森を本物の森へと再生し、地球温暖化に少しでもブレーキをかけていければと思っています。

Photo_10 先日イギリスで行われていたCOP26では、日本はまたしても国際NGO団体から温暖化対策に後ろ向きな国として「化石賞」を贈呈されました。2030年時点で発電量の約20%を石炭火力に依存する計画のままであり、世界の脱石炭の潮流から大きく遅れをとっている恥ずかしい事態です。私たちも福島県ファンクラブ、栃木県ファンクラブのように議会に対して「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」のアクションを起こしていきたいと考えています。Photo_11 全国の皆さま、今後ともよろしくお願い致します。(報告:神奈川県FC 遠藤政之)

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