2022年1月16日 (日)

ファンクラブの飛躍に向けた抱負を語り合う

 今年は寒気が日本各地を覆い、各地では例年にない雪が降っています。本日(1/15)は、久々に青空が見える天気に恵まれ、今年第1回森びと福島県ファンクラブの打ち合わせ会議を福島市内で行いました。新型コロナ感染拡大等でなかなか会えない森ともの仲間たち6名の感染予防対策での集まりでした。

2022115 今回はオンライン会議を試してみました。しかし、初めてのことでしたので基本設定がうまくいかず四苦八苦しました。30分遅れで会議は始まりました。オンラインでは森びと高橋顧問からの問題提起だけにとどめ、議論はその後行いました。「久しぶりです。みなさん元気ですか。」の一声に、久しぶりに会う出席者の表情に、慎重さが見えました。

2022115_2

2022115_3髙橋さんからは、脱炭素社会を生き抜くためには、地球全体のシステムを調整する機能を健全にする活動をしていくことであり、地域でできる事を実行し、地球温暖化防止に向き合うシニア世代のアクションの大事さが話されました。

その後、今年度の福島県ファンクラブとしての事業計画について議論を深めあいました。➀森びと福島県ファンクラブの規約の見直しの議論及び総会までの計画について、規約見直しなどを決定する総会の日程と場所を決定して、会議は終わりました。

2022115_4

2022115_6  桜井勝延さんは市長選で頑張っています 

本日参加された森ともの皆さんお疲れ様でした。また、問題提起していただいた森びと顧問の高橋さん、オンライン会議を操作していただいた小林さん、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。(森びと福島県FC代表 東城敏男)

2022年1月13日 (木)

森とともに生きる活動をスタートさせる2022年

 2022年、新年を迎えることができました。今年もよろしくお願いします。

 気候変動による異常気象は、毎年巨大化し、無関心ではいられない現状です。地球温暖化にブレーキをかけていくためには、二酸化炭素を吸収してくれる「木」を植え、森に育てていくことが必要です。やれることは小さいことかもしれませんが、人間は森とともに生きることを確認し、できることを拡げていきます。

202162005_2 2005年に植樹をした臼沢の森入口(2021年6月撮影)

 私が住んでいる鎌倉市は、植林地が33%と緑が豊かです。緑地は、生物多様性の確保や防災の役割もあるとともに市民が自然に親しむ貴重な場所です。現在、市民団体が手入れをしている緑地や里山があります。それらの人たちと自然環境の保全を一緒に活動ができていければと思います。

3_5昨年の熱海市での土石流による被害

Photo_4 神奈川県ファンクラブは、一歩一歩“山と心に木を植える”活動を拡げていきます。

(神奈川県ファンクラブ・増田富雄)

2022年1月11日 (火)

自然と人の豊かさを象徴する伊勢神宮の森

 昨年の話になりますが、伊勢神宮の神宮道場でお話をさせていただく機会があり、久し振りに内宮と外宮に参拝してまいりました。どちらも鬱蒼とした照葉樹の森に覆われていて、神が宿る神聖な場所であることを確信させてくれます。内宮の五十鈴川も祀られていて森と川の一体感は、美しい日本の原風景でもあります。

Photo伊勢神宮内宮の社殿と鎮守の杜

 私は植生学者なので、自ずと森に目がいきますが、森の主役はイチイガシです。日本の照葉樹林は沿海部のシイ・タブ林と内陸のカシ・モミ林に分けられますが、内陸のもっとも肥沃な土地に成立するのがイチイガシ林です。そのような豊穣の土地に伊勢神宮が祀られているのは偶然ではなく、自然と人の豊かさの象徴であるということです。参道から森を覗くとヤブツバキ、サカキ、ヒサカキ、カクレミノ、トキワガキ、バクチノキ、ヤマビワ、コバンモチ、カンザブロウノキ、ミミズバイ、バリバリノキ、イズセンリョウ、ハナミョウガ、ホソバカナワラビなど植物相もなかなか豊かで、長い年月を経た自然林でないとこのような種の多様性は保てないのですね。

Photo_3伊勢神宮内宮のイチイガシ

 

 私の知る限り、福岡の太宰府天満宮と大分の宇佐神宮にもイチイガシ林があり、豊かさの象徴になっています。伊勢神宮を始め、これらの境内にはクスノキの大径木もあって、ご神木になることも多いのですが、クスノキは中国か台湾から持ち込まれた樹種で、成長が速く立派になるのですね。

(運営委員会代表 中村幸人)

2022年1月 8日 (土)

日光・「城山の森」で100年後の森の夢見る

Photo_7 明けましたおめでとうございます。私たちが育てている日光市「城山の森」の新年を迎えた様子をお届けします。昨日、私と大野さんで「城山の森」に行ってきました。

Photo_9 登山入り口からの階段を登ると、途中、散歩している初老と思われる二人とすれ違いました。午後3時過ぎに、弱い寒風吹く中を、杖をついて散歩している二人を見てびっくりしましたが、「こんちは」とあいさつをして別れました。

Photo_11 そこから少し先を登ったところがその森です。私は、足元の霜柱の土壌で育つ苗木を見て、スクスクと大きくなっていることに確信をもちました。今年も、苗木はウサギやシカなどの獣害に遭っていませんでした。稜線から見る雪化粧の女峰山、男体山などの景色が最高の癒しになりました。この苗木たちも春になると若葉が輝き、散歩する方々の元気の素になることでしょう。Photo_12 やがては全ての生物の命の営みに欠かせない小さな森になってくれるでしょう。そんなことを二人で話合い、春からの育樹作業の計画を話し合うことにしました。

頂上付近で、新春の句を詠みました。

★寒中に きりっと春待つ 城山桜(春吾)  ★ 凍空に 城山の樹々 待つ頂芽 (昭彦)Photo_13  お粗末様です。(報告 加賀春吾)

2022年1月 6日 (木)

原発増設前提で走るEV車は本当に人に優しい?

 吹雪の日は本や新聞を乱読して時間をつぶしている。新年早々気になることがある。世界各国で「脱炭素社会」へ向けた様々な技術競争が行われているが、その社会には人の生命が第一ということが置き去りにされている気がしてならない。Photo ウォークマンでビートルズ曲を愉しんだ私だが、その商品製造会社グループが電気自動車(EV車)を設立するという。その他にもアップル、グーグルも参入するのではないかと新聞報道されている。EV車は「脱炭素社会」のシンボルとして注目され、世界市場では「戦国時代」を迎えているという。Dscn9088  EV車はガソリン車よりも部品が少なく、製造技術的にも障壁が少ないという。モーターは電気で稼働し、二酸化炭素を排出しないので地球には優しい。しかし、例えば、日本の全乗車すべてをEV車に置き換えられると、モーターを動かす電気を賄うには100万㌔㍗原発が10基、50万㌔㍗火力発電が20基の増設が必要になるという。(経済産業省の試算)Photo_2  こうした中で、EU欧州委員会は、「原発には脱炭素社会へ移行する促進の役割がある」という考え方を加盟国へ提案した。各国の「脱炭素社会」は潮流には危険な考え方が潜んでいるようだ。P1030925  誰もが格差の無い、安心して生活できる平和な社会という理念は「脱炭素社会」像には見えない気がする。ビニールハウスで野菜・果物を生産している農家、軽油や重油を燃料とする漁船の行方を心配する漁漁師、エンジンよりも部品が少ないEV車であれば部品製造を担ってきた労働者の雇用が不安、AIが労働現場に浸透・拡大する中で雇用不安が止まらない学生などの気持ちを考えると、気が収まらない。202112  新年早々の私の気持ちは、ビートルズ曲やボブディラン曲をウォークマンで聴いていた当時の社会変革エネルギーを再び燃やすことはできないものか、だつた。レコードを聴いて、その作戦を練ってみる。(顧問 高橋佳夫)

 

2021年12月27日 (月)

森林破壊をなくし、動植物の絶滅を防ぎ、次世代に多様な生態系を残そう!

 英国グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約締約国会議)で、2030年までに森林破壊をなくすとする共同声明が発表されました。「30年までに森林破壊を止める」という声明には、条約に参加する197カ国・地域のうち130カ国・地域以上が参加しました。

 議長国である英国のボリス・ジョンソン首相は「偉大で豊かな生態系は、自然という大聖堂を支える柱であり、地球の肺です。森林を守るだけでなく、その森を確実に取り戻せるように、一緒に取り組んでいきましょう」と呼びかけました。

Dsc01415

 

 「地球の肺」と言われる世界の森林は、1年間で世界の排出量のおよそ20%にあたる約76億トンの炭素を大気から吸収しています。森林破壊の原因は、牧畜やパーム油生産による熱帯雨林の伐採や農作物生産への転化、紙・パルプの生産、石炭や金属の採掘など、日本をはじめとする世界中の国々で利用されており、私たちの生活と無関係ではありません。

Dsc01633


 

 温室効果ガス吸収源としての森林であるとともに、地球上に暮らす76億人の25%にあたる16億人以上の人々が多かれ少なかれ生計を森林に頼っています。森林は気候の変動の影響を緩和し、生物の多様性を保護しています。そうした豊かな生態系を守る森林が、毎年約1,300万ヘクタール(東京都約59個分)も失われ、今も森林破壊が続いています。(参考:国連広報センターHP)

Dsc00128

 そして、森林の消失は、多くの生物を絶滅の危機に追いやっていることにも目を向けなければなりません。地球上には、現在確認されているだけでも約175万種の生物が生息しており、まだ知られていない種類も合わせると3,000万種もの生物がいるそうです。しかし、驚くことに年間4万種の生物が絶滅しているといいます。

P5192374

 銅山開発、銅の生産のために山の木々が利用され、生産過程で発生した煙害や山火事によって木々を失った足尾の山々は、大雨によって表土が流され“はげ山”となり、鉱毒が下流域の農作物や漁業に大きな被害を与えました。私たち森びとプロジェクトは「人間の壊した自然は、人間の手によって取り戻さなければならない」と、2005年から荒廃した足尾銅山跡地での植樹活動を行ってきました。

Dsc01711

Dsc00037

Dsc00423

 今年も、コロナ禍での森作業、植樹・育樹活動に、森びとスタッフ・サポーターの皆さんが献身的に参加し、森を育ててくれました。

Dsc01910

Dsc02193

 人間はコロナウイルス感染に怯え、人との接触を避けてきましたが、足尾の森で生きる草花や動物たちは、種を残していくために花を咲かせ、アリやハチは花の蜜をいただく代わりに授粉を手伝い、互いの命を繋いで行きます。アナグマは土を掘りアリやミミズを探しています。秋になると雄鹿の鳴き声が谷間に響き雌鹿に求愛をしています。

 木々が生長した植樹地には鳥や風が運んだ種が発芽し、新しい森の住人となり、生態系を豊かにしてくれました。

P9251492

P4211892

P6090173


Dsc01768

Dsc00609

 「30年までに森林破壊を止める」共同宣言には日本政府も参加をしています。各国のリーダー達は、人間だけで社会を構成しているわけではなく、森に生きる多くの生物たちと同じ様に生物社会の一員として森に生かされている事を、森づくりの現場に入り、汗を流し、森・生物の声に耳を傾け、気づいてほしいものです。

P5192363

P9151253

P9151203

Dsc02233

 森びとスタッフ・サポーターの皆さん、各県ファンクラブの皆さん、森ともの皆さん。子や孫、次世代に健全な生存基盤と生存可能な地球環境を残していくために、2022年も、山と心に木を植えていきましょう。

(運営委員・清水 卓)

 

 

2021年12月25日 (土)

森に寄り添って生きてきた町民の昔話を伝えたい

 新型コロナに振り回された2021年が、間もなく暮れようとしています。古希を過ぎたせいなのか、一年という時間が瞬く間に過ぎていき、振り返ってみるとこの1年、どんなことをしようとしたのか?頭に浮かんで来ません。早すぎる時間の流れの中で、私の日課は他人(ひと)に促され、波間に漂っているだけではないかと思う時があります。Photo      写真:林子さん
 そんな中で、森作業している私の願いは多くの皆さんに森を眺め、森を歩き、木々に触れ、美味しい空気を胸いっぱい吸ってもらいたいということです。できれば、地域の皆さんの憩いの場にもなってもらえれば申し分ありません。20211219 Dscn7831とくに、足尾町民の憩いの場にできないかと思っています。先日、町民の方とお会いした時、「是非、松木沢に行ってみたいので連れて行って欲しい」との話を受け、私よりもご年配の女性二人を現地に案内しました。大喜びでした。昔はこうだったとの話に花が咲きました。

20211219_3       写真:林子さん

 ひとり一人の昔話をその場限りの話とせずに、森から遠ざかった生活をしている方々に、森に寄り添って生きてきた足尾町民の話を広げていける2022年にしたいと思って言います。各県FCの皆さん、健やかな新年をお迎えください。(栃木県FC・橋倉喜一)

2021年12月20日 (月)

地球温暖化に向き合う地域民の心を育みたい

12月に入り、明後日は冬至です。寒さが一段と身に染みる師走になりました。今年の冬は大雪になるとの報道がありますので、雪国の友人たちの生活を思うと、除雪に苦労するのではないかと思ってしまいます。Dsc06049 先日、アメリカでの巨大竜巻被害をテレビで観ていると、人間の技術は自然界の脅威に歯が立たないことを感じています。竜巻発生シーズン外の季節での巨大竜巻襲来は大地とメキシコ湾の海水が温められいること、寒気の流れが影響しているのではないかと思っています。Dsc06048 茨城県内でも竜巻被害は起こりましたが、その大きさと発生率は他人ごとではない気がしています。一年間の生活を振り返ると、ここ10数年は異常な気象の動きを気にしながらの生活が続いていると思います。しかし、多くの方々は安心な生活を求めていくためにはどうすればよいのかという気持ちになっていません。Dsc06047  地域の一部の方々と話していても、不安だけが話されました。県FC結成とその後の少しばかりの森づくり活動を地域の方々と進めてみると、私たちができることを話合うと話が深まります。この歩みを止めてはならないと受け止めています。地球温暖化に向き合う地域民の心得を、少しばかりの森づくりを通じて育んでいかなければと思っています。森びと県FCの皆さん、お世話になりました。健やかな新年を迎えてください。(茨城県FC:済賀正文)

2021年12月16日 (木)

真鶴半島の森の中で”ハチドリの一滴”を決意

 先日、近くの公園を散歩していると、散歩路が銀杏の葉が落ちて黄金色の絨毯のようになっていました。秋の深まりを落ち葉が演出し、冬本番を迎える前の穏やかで暖かなひと時を感じました。1639027720106 神奈川県FCは、先月、「山と心に木を植える」を合言葉にして活動をスタートしました。その一員の私は、「ハチドリのひとしずく」のように、自分にできることを淡々と継続していけることが好きです。1639537912787_dscn0252 そんな気持ちをもって、活動の第一弾として保安林を散策してきました。小田原藩が萱原だった真鶴半島には江戸辞退に植林された15万本の松が魚つき保安林の中に生きています。歴史的には、江戸の大火によって大量の木材が必要になり、伐採後に植えられたそうです。Dscn0250Dscn0251
 この魚つき保安林を散策してきました。360年前に人工的に育てられた森でも、魚つきの森と言われているように、森林がつくりだすミネラルや腐殖酸による栄養塩類の吸収能力が高められ、海の生き物の住みかとなる森(海藻)が育ち、地球のすべての生きものの基盤を健全にしている様子が感じられました。Dscn0254 この森には、スプリンクラーが設置されており、これからも豊かな森を守っていました。改めて森と暮らす大切さを感じました。再スタートをきった神奈川県FCですが、その一人として、待ったなし!の地球温暖化STOPへの暮らしを切り拓いていきたいと思います。以前やっていたどんぐり拾いから苗づくり、そして大地にその苗を植える活動を再スタートさせていきます。この活動に賛同してくれる仲間に呼びかけて、来年の足尾「里親植樹」に参加していく意思が固まった一日でした。

(神奈川FC  鈴木正雄)

2021年12月10日 (金)

花嫁街道整備を通じて温暖化防止へ心をひとつに

勤労感謝の日(11/23)は、暦の上では「小雪」で雪が降り始める頃でしたが、千葉県南房総市では小春日和にめぐまれました。私たちは、新日本百名山の「烏場山」に上る途中の階段が崩れているということで、その階段の補修ができないかと思い、その下見と準備を兼ねて現その場に行ってきました。階段用の間伐材を準備し、本番では作業がしやすいように準備してきました。Dsc_0074 23日の南房総市付近の紅葉はまだ早く、登山道の足元では小さい花が咲き、訪れるハイカーの目を楽しませていました。森の中で間伐材を作っていると、木々の緑が目に優しく、木々から発せられるマイナスイオンと枝が運ぶ風の音で気分が落ち着きました。Dsc_0068Dsc_0077 その上、メジロやウグイスの鳴き声を聴いていると日ごろの疲れが癒されていることが感じます。喧騒な街で生活している私にとっては、森の恵みのパワーが元気の素になることを嬉しく思います。Dsc_0058Dsc_0065 10月に行った地球温暖化にブレーキをかけられないかと行った地域の方々との森作業の意味を来年につなげていきたいと思っています。シニア世代が心をひとつにして、花嫁街道の整備を通じて次世代への恩返しつくりだしたいと思っています。年末から新年にかけても想定外の異常気象の猛威を気にしながら、できることを継続していきたいと思います。各県FCの皆さん、健やかな新年を迎えてください。Dsc_0072
(森びと千葉県ファンクラブ・相川、武田)