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2021年10月

2021年10月30日 (土)

未来を生きる米国の友と長いお付き合い

Dscn8304 明後日は衆議院議員総選挙。有権者の私は8月の横浜市長選挙からずっと投票の事を考えています。緑や森が溢れる未来、温暖化にブレーキをかける社会になってほしいと。海を越えた米国では温暖化対策を推し進めるバイデン政権が誕生しました。この大統領選では、バイデン候補の温暖化対策を支持する若い世代の影響があったと言われています。P5144054       2016年の友だち

 2016年と2019年に足尾へ訪問してくれた米国ミシガン大学のレズリ―教授の研究室の皆さんを長年サポートされているアシスタントのエミリーさんに、大統領選時の若い有権者(学生)の大統領選での取り組みについて聞きました。Dscn7232
 彼女は、「日本でも近々、とても重要な選挙が行われるようですね。大学のキャンパスは、若い有権者に(選挙のための)登録をしてもらうには最適な場所です。そのために、登録運動やソーシャルメディア(SNS)を使ったキャンペーンを行ってきました。前回の大統領選挙では、選挙の数カ月前から週に5日間、選挙前の数か月にわたりキャンパス内で学生の登録を行ったこともありました。アメリカの若い世代は、自然保護と投票を結びつけて考える傾向があります。彼らは、私が彼らの年齢のときに知っていたよりも、自分たちの住む世界について学んでいるようで、様々な意味でよりよい世界を目指しています。日本では若い人たちの感覚は違うのでしょうか?」との返事が届きました。ちなみに、米国では有権者名簿が正確で最新の状態であることを確保するために、州によって定期的に有権者登録を行う制度があります。Photo

14p エミリーさんのコメントを聞き、私は、自然を大切にする事と投票が結びついているという事に関して、私の学生当時を振り返ると反省するばかりです。私の周りで働く若者たちにも未来のことを真剣に考えている方々を見受けます。先日、期日前投票を行いました。投票所に並ぶ有権者の表情から、マスク着用ではありますが皆さん少しワクワクしている様に見えました。未来を生きる私たちのために、エミリーさん達との出会いを大切にしていきたいと思います。Dscn7307
(運営委員・太宰初夏)

2021年10月26日 (火)

季節の移ろいを歓迎しつつも生活は大変

先日24日、晴れ上がった長野市内から北アルプスの連山に雪のついているのをみつけました。この秋初めて見る雪です。その前の日、市内で降っていた雨が高い山では雪になっていたのでしょう。今年の長野は、夏あまり暑くならず、秋も早く進んでいるように感じます。まあ季節の変わり目にはいつも何か去年とは違うようなに思うものですが。0202e8ae2c9c4c25a922fc3d56a1beac その一方で、身近に感じられる自然はちゃんと季節の移ろいを教えてくれます。写真は家の近所で9月19日に撮りました。陳腐な表現ですが、抜けるような青空と真っ赤なヒガンバナのコントラストが秋の到来を教えてくれました。8e948597f7d040fcaca17f6361b99c1d 最近ではハナミズキをはじめとする市内の街路樹も色づき始めています。これは昨年11月19日のものです。もうしばらくの間、長野では秋を楽しめるようです。エルニーニョの影響で寒い冬になるという話も聞こえてきます。スキーをするので雪の降るのは歓迎しますが、一方で灯油や電気料金の値上がりもあって、この冬は過ごすのが大変だなとも考えてしまいます。(運営委員・井上 康)

2021年10月23日 (土)

温暖化にブレーキをかける政治を願って木を植える!

 臼沢の木々が、ほんの少しだけ赤や黄色に変わり始めた10月20日、今年最後の「里親植樹」が行なわれました。私もサポーターの一人として、今年最後の木を植えました。植樹をしながら思うことは、植えられた幼木は厳しい冬の寒さ、生き物たちの害に耐えながら春を待ち、私たちに恵みを授けられるように根を張ります。こんな事にも私たちが目を向けることの大切さを多くの人が感じてほしいということでした。Dscn7615 足尾町内はコロナ収束と衆議院議員選挙で何となく慌しく感じます。コロナ禍の生活で今までの日常では考えられなかったことを大切にしたいものだと思います。Dscn7745 地球温暖化になんとかブレーキをかけられないかと、森びと設立以来叫び続けてきましたが、市民の力だけでは政治を変えることは難しいと実感しています。私が所属している栃木県ファンクラブは県議会にその趣旨の陳情書を提出してきましたが、議会では継続審議になりました。その理由は、陳情書の趣旨には賛成だが、県内企業のカーボンニュートラル計画を県民に公表する部分が賛同されませんでした。温暖化にブレーキをかけることに“待ったなし!”ということが理解されなかったことはとても残念でした。Dscn7771 シニア世代の一人として、未来を生きる次世代にできることを続けるほかないと思いますが、衆院選挙戦の只中にいる有権者として温暖化にブレーキをかけていく政治に流れを変えられる候補者に期待したいと思っています。(栃木県FC・橋倉喜一)

 

2021年10月22日 (金)

日常の生活を自然界から振り返えりました

 先月(9月)、日帰りで足尾に入り、久しぶりの森作業で痛感した足腰の衰え。現地のスタッフに面目ないと思いながら、緊急事態宣言が解除されたので、巣ごもり状態の日常から少しでも脱出しようと近くの公園に行ってきました。Photo つくば市にある「赤塚公園」はアカマツの林があり、その周りにはイチョウ、桜、楓、木犀なども植えてある大きな公園です。しかも、植物園的な景観を造ってあるので、「楓の丘」、「花の森」、「水辺の森」、「野草の丘」を散策しながら植物の観察ができます。Photo_2 Photo_3 水辺には、鴨たちに混じって頭の白色の鳥がいました。「バリケン」という南米産の「野バリケン」が野生化したものとかで、全身が黒っぽく、顔面は赤く、頭は白色をした大きさはニワトリほど。初めて見たので、カメラのシャッターを押しました。Pa140003   私たちの森づくり(上下写真)Pa140004 後で分かったことは、沖縄ではこの鳥を観音アヒルと呼び、食用にもしているそうです。この日は10月だというのに気温が29℃の真夏日でした。季節に敏感な木々や植物たちも戸惑っていると思いながら公園を後にしました。(茨城県FC:仁平範義)

2021年10月18日 (月)

生活の当たり前を振り返り、できる事をやる

 先日、近くの公園を歩くと大型台風の影響で緑色のどんぐりがたくさん落ちていた。Photo_5 地球温暖化の影響による異常気象は、人間や動食物に生存を阻むような時代に追い込んでいる気がする。この1年間だけでも、今までの気象レベルをはるかに越えた気温の変化、強風と大雨そして雷、巨大化する台風が発生し、各地で観測記録を塗り替える事態になっている。それによる災害の規模や範囲も甚大となり、今までに体験したことがない規模となり、私たちを脅かしている。人間が富と豊かさを求めた結果、自然環境を不健全にし、私たちの生存を危うくしている。Photo_6 以前、足尾の荒廃地で植樹を行って感じたことは、壊わした自然環境を甦らすためには想像を絶する時間と労働力そして財源がかかるということだった。それも人間だけの力ではそれは実現できないことであり、そこには土、微生物、草木と生きものたちの働きがなければならないことも学んだ。Photo_7 この当たり前な考え方が日常の生活のベースになれば、「地球温暖化STOP!」への道はきり拓けるのではないかと思う。大気中に溜まってしまった二酸化炭素をこれ以上多くしないことが求められている今日、今を生きる一人として、少しでも身近で何かできることをやっていきたい。Photo_8(神奈川県FC・城本和利)

2021年10月14日 (木)

福島県議会で採択された「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」の取り組み

Photo_3 去る8日、福島県議会議長 渡辺義信さんより通知が届きました。それは先月21日付けで県議会へ請願した地球温暖化防止、「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」への取り組みを求めたことの結果でした。その請願は県議会で「採択」されました。Photo 今後は、県の温暖化防止の政策にどのように反映されるかです、二酸化炭素吸収に向けた県及び市主催の植樹祭の開催と県民への呼びかけ、人の命は大地と海の恵みで育まれているという旨の教育等がどのような形で政策として反映されるのか。私たちは注目し、その都度、協力してくれた県議会議員の皆さんと話し合っていきたいと思います。1 そして、南相馬市の「鎮魂復興市民植樹祭」などの出会いを通じて、多くの市民との交流の場を設けて、次世代が持続的に生存できる地球を健全にしていきたいと思います。Photo_2Photo_4 県議会への請願提出に応援してくれた県FCの皆さんにお礼申し上げます。(福島県FC・斎藤章)

2021年10月12日 (火)

「花嫁街道」から森と生きる暮らしを考える

Photo 10月に入り、千葉県内でも秋の足音が早まり、ハイキング等を楽しむには絶好の季節となりました。1 今月は2019年の台風でハイキングコースが被害にあった南房総市・「花嫁街道」の整備と地域の方々との話合いを計画しています。それに向けて、先日、2回目の現地踏査をしました。今回は烏場山登山口から登りましたが、被害が大きかった場所は駒返し→見晴台→第三展望台→烏場山間が尾根ですので、特に、そこ間の被害が大きかったようです。Photo_2 32  道筋の倒木は片付けられていましたが、周囲150㌢以上もあるスダジイ、マテバシイが根こそぎ倒れ、スギ、ヒノキは幹が折れていました。その猛威には恐怖さえ感じました。また、台風上陸以降の何らかの原因で立ち枯れが目立ちました。カシノナガキクイムシかもしれない虫が穿孔した木屑が落ちていました。Photo_3 見晴台のベンチが朽ちていましたので、山主さんから許可をいただき、ベンチの材を伐って設置の準備をしてきました。付近の草を刈り、今月の散策当日には3台~5台のベンチを設置したいと思います。見晴台からの眺めはとても絶景です。まるで雲海の上にいるように錯覚しそうです。第三展望台からは、千葉県で一番高い愛宕山、伊予ヶ岳、その先には房総の山々そして富士山も眺められます。Photo_4 台風の猛威を実感し、その傷跡を整備していると、人間が成長だけを追い求めてきた結果だということを考えさせられます。踏査していると、多くのハイカーと出会いました。地元の人達、ハイカーにとって「花嫁街道」はそんなことに気付いてもらえる大切な場所であってほしいことをと改めて感じました。(千葉県FC・相川、高梨、武田)

2021年10月 8日 (金)

実り、収穫、食欲の秋を愉しめることの有難さ

Dscn0458 猛暑が過ぎ去り、寒気が降りてきた秋田の地には秋の気配が漂い始めました。秋と言えば実りの秋、収穫の秋、食欲の秋と食べることばかりが思い浮かびます。私にとっての収穫は森の樹々の恵みです。

Dscn0459 上の写真のように、我が家の屋敷には大粒の栗が今年も実りました。これからがこの恵みをめぐってのバトルがはじまります。虫や動物たちと人間の奪い合いです。美味しものは人間ばかりでなく、他の生きものたちもこのチャンスを逃しません。栗の実に虫が侵入しないための対策をサボると収穫が減ります。少しは薬の力を借りて、美味しくいただきます。Dscn0465 Dscn0464 桜の木に菌を埋めた原木には菌が回り、白くなっています。日陰に置いて、風通しが良ければ1年目でキクラゲが出てきました。冬の鍋の具材として、これからはキクラゲの栄養をいただきます。改めて感じることは、木々の素晴らしさと有難さです。そして人間はそのちょっとした手助けをしているだけで、消費者です。Dscn0457 消費者は生産者の環境を健全なものに持続しなければと思います。Dscn0466上の花はなんの花でしょうか。調べてみてください。(秋田県FC・船木藤典)

 

2021年10月 5日 (火)

森の機能が発揮されるふるさとの木による森を育てたい

 府中の崖線で急傾斜地崩壊区域に指定されている森を歩いた。この地は、過去の洪水で立川崖線と国分寺崖線を古代多摩川が南へと流れを変えて行く過程で削り取られて出来た河岸段丘の崖で、線状に長く続く崖なので「崖線」と呼ばれている。1633344878003 1633344871118 高さ約10㍍、傾斜30度以上ある崖には直根性のケヤキやヒノキ等が適度な間隔で植えられている。樹齢約200年は越えていると思う。キツネノカミソリやエゾエノキやアオキなどの低木と下草(クマワラビやヤマニンジンやコケ類)も生えている。この森は長い年月をかけて補植と手入れがされ、自然の力によって群落が形成され、崖崩れを防止している。1633344865790 1633344971039 この崖線の森を見て、私が森づくりをしている「土砂流出防護保護林」の足尾・「臼沢の森」のことが頭に浮かんできた。幼木を植えて16年が経ち、樹高は10㍍超え、幹の太さは直径10cm以上の立派な木々となり、生態系が豊かになっていることを実感している。しかし、崖線と違うことは下草や低木種の生え方が少ないということ。1633344914248 林野庁の紹介では、土砂流出を防ぐには林床を落ち葉や下草に覆われた状況に保つことが望ましいという。「臼沢の森」の地表は落ち葉で一部覆われているが、下草が豊富ではない。木々が密集しているから陽が当たらないことが影響しているのかと思う。同じ森内で陽が当たっている場所はススキやイネ科の植物が生えている。Photo 世界中で、毎年巨大化している大雨や干ばつ等による災害という中で、県が指定している「土砂流出防護保護林」の足尾・「臼沢の森」。この視点から16年間の森づくりを振り返り、東京都内の森づくりに活かしていきたい。 (東京都・松井富夫)

2021年10月 2日 (土)

近所の散歩で考えたこと

 気が付くと秋を迎え、朝晩肌寒くなることも多くなりました。いつもの年であれば月に1度は東京から足尾に入り、森作業で気分転換を図ったりもできるのですが、今年も昨年に続きコロナが落ち着かず、なんとも窮屈な日々が続いています。

 足尾に入る機会も限られているうえ、不要不急はできるだけ避けるとなると必然近所の散歩の比率が上がります。比較的緑が多いところで、近所の緑で四季も感じることができますが、いろいろと考えさせられるできごとがいくつか重なりました。

 都市の中で400年、農業を続けている古いお屋敷があります。大きなケヤキに守られた美しい屋敷林ですが、初めてそのケヤキが伐採されていました。400年続くお屋敷は広く知られていて、DVDでもその近況を知ることができます。それを見ると、本当に仕方なく伐採したということが伺えます。愛着のあるその木を何故切らなければならなかったか。お年を召した家主の、切株を触りながら寂しそうに話をするシーンを見て、何とかならなかったものかなぁと思ったのは僕だけではないと思います。願わくばこの屋敷も林もこのままずっと残して欲しい。。。


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 すでに住む人の居ない大きな古い屋敷がありました。何やら噂には、昔オオカミ博士が住んでいたとか。大きな森に見えるその場所を久しぶりに通るとすでに跡かたなくマンション建設工事が始まっていて・・・。こちらも後で調べると自治体に寄贈する案が出ていたにもかかわらず、費用等の問題で転売が決まったのだとか。数本だけ残された樹を、マンション側は”ウリ”にしていると噂では聞きました。大方、「私たちはSDG'sに貢献しています。」なんてことを謳うんだろうな(勝手な想像です)。

 毎年見事に花を咲かせる緑道のサクラもあっという間に伐採されました。気候変動の影響も伐採圧に傾いているようです。ソメイヨシノって弱いって聞かされてますし、倒れたら危険、って言われると誰も文句を言えません。近頃の嵐は想定外ですからね。

 枯葉が邪魔だから、虫が嫌いだから、暗闇が危険だから、〇〇を作るから・・・。大きな木も、ゆっくりと時間をかけた緑の循環とそこにある多様性も、壊すのはあっという間。こういうことの積み重ねが、今の人為的な気候変動につながっている気がしてなりません。さてどうしたものか、と立ち止まりつつ、ひとつひとつの命を大切にしていくしかないのだろうな、と改めて思った秋の入り口でした。(運営委員 小黒)