“旬の香りと味”は身体の機能を維持させる宝物?
啓蟄が過ぎて、暖かい日が続いています。虫たちにとっては忙しくなる前の準備体操を地中でしていることでしょう。虫が動き出すことは餌を探して子孫を残すためで、餌が無ければ死んでしまいます。虫の餌の多くは植物ですから、啓蟄は虫の餌になる植物の根が動き出すことを意味するのでしょう。
ビニールハウスで育てられて一年中野菜を食べている人間社会では“旬”の味が遠のいていますが、生物社会に生きている虫たちは常に“旬”(ビタンミンとミネラル)を味わっているのでしょうか。そんな暮らしはうらやましいかぎりです。
昨日(6日)、事務局の済賀さんと栃木県西森林環境事務所を訪れ、鬼澤所長、森づくり担当者から森づくりのアドバイスをいただきました。帰りに、地元農家の方々が栽培しているホウレンソウ等を買ってきました。このホウレンソウは葉が縮れて見た目は良くありませんが、昔懐かしい野菜でした。
冬野菜は寒さで葉の水分が凍らないように葉の水分を少なくし、多めの糖分で寒さを耐え抜くと言われています。これが冬野菜の美味しさ(ビタミンとミネラル)、つまり“旬”ではないでしょうか。
生体の機能が維持されている場合は、ビタミン同士、ミネラル同士、そしてミネラルとビタミンの組合せが作用しなければならないと言われています。出欠多量によって一週間ほど点滴で過ごした筆者は、退院後の食事では鉄分を多めに摂ることを考えていました。貧血の予防・治療のためにホウレンソウ等を食べようと思っていました。
その気になってある本を読んでいたら、身体の機能を維持していくには単純なことでないことを知りました。つまり、「鉄欠乏性貧血の場合、鉄だけを補充すればよいというわけではありません。ビタミンCは鉄の吸収を助けるので、ビタミンCの摂取量にも注意を払わなくてはなりません。貧血の予防・治療には、鉄のほかにビタミンC・B12、葉酸といったビタミンが欠かせません」(『野菜のビタミンとミネラル』編著・辻村卓)、ということでした。
この本では、一年中出回っている野菜と旬の野菜の栄養素(15年間)を比較したデータを紹介しています。それによると一年中出回っている野菜よりも旬の野菜の栄養素がほぼすべてにおいてその含有量が多いことでした。
そんなことを知ったので、日光の店ではノゼリとノビルを買い、ノゼリは胡麻あえ、ノビルは味噌油炒めにして旬の香りと味を実感しました。まさしく「食べることは生きる基本」でした。(OWL)
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