児童や学生、企業人から教えられた暮らしを変える難しさと大切さ
5月の後半は、 横浜市の児童と神奈川県愛甲郡の自然のなかで共に遊び、月末は企業の皆さんと「資源と捨てること」についてのワークショップ、翌日は都内の学生さんと消費についてお話する機会を得られました。
神奈川県愛甲郡愛川町は自然が多く残り、そこで児童と触れ合っていると彼らの好奇心とパワーに刺激を得ました。森の中や野原で出会う草木や、真っ暗な森で周囲を観察する子どもたちの目には常に好奇心が輝いていました。クラスメイトと共に手を繋いで、声を合わせて課題に挑戦した後は、四つ葉のクローバーを探したり、斜面を全力で駆け下りるなど全身で森の空気を感じながら遊びを探していました。夜には真っ暗な森では灯り無しで、足元や周囲に怖いものが無いかどうか注意深く楽しみながらキャンプファイアーへの真っ暗な道を進みました。「危ない!」と注意されがちな事も、大人が静かに見ていれば子ども達は五感すべてを働かして森と遊ぶ事ができるようです。
また、企業や消費者の方々と、循環型資源利用を考える「530 カンファレンス」という捨てないビジネスの在り方を話し合うイベントへ参加してきました。企業の皆さまとグループセッションを行い、各企業の資源再利用の現対策と課題を話し合い、発表するものでした。
3R、5Rは私たちが小学校から教えられてきた資源を捨てない為のキーワードですが、今回様々な企業の「これから出来ること。」として意見が多かったのは企業が大人(消費者)の意識を変えるということでした。安くて簡単に捨てられる物を選ぶ消費者がリユース製品を選ぶにはどんな工夫が必要か、廃棄を減らすモデルを話し合いました。消費者と企業が直接、資源やエネルギー利用についてビジネスの持続性について話す機会が増えれば、私たち消費者が本当に求めているものが伝わります。消費者は企業のファンであり支持者、選挙で言えば有権者です。Friday for Futureで立ち上がる学生さん達に負けない行動力で、声を伝え、社会そのものである私たちが経済も変えてゆく必要があると感じました。
最後は、学生たちと消費と服飾(アパレル)産業の在り方についてお話する機会がありました。誰が、どんな環境で、どんな賃金で作ったものを私達が買っているのか。消費者の「買った責任」としてどう扱うべきかを、皆さんは本当に真摯に意識しています。衣服の素材に関わらず食べ物も、農薬や殺虫剤を使って土壌の健康を損ないながら作ったものなのか、土壌や微生物、昆虫がより元気になる方法で物作りをするのか、学生たちは社会に求める倫理観と期待を教えてくれました。
個人でできる事と、企業として声を上げることはどちらも必要で、後者には数が必要です。静かにしていては伝わらず、身近な環境から、自分の社会への考えを胸を張って伝える行動が本当の持続可能性に伝わるのだと実感する時間でした。今月は、社会を変革することの難しさを色々な角度から考えることができました。(事務局員 太宰初夏)
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