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2020年4月

2020年4月28日 (火)

見えない恐怖と向き合える時間を無駄にしない

 友人から電話とメールがあった。コロナ感染を心配して電話をしてくれた。彼は、息子が務める会社の事務系社員は自宅待機だが、電車の車掌をしている息子は普段と変わらない。お客は少ないが接触する機会が多いということで、息子への助言を求めていたと察知した。

 暫らく経って、女性の森ともからメールが届いた。要約すると、「ウイルスによって社会や経済活動への価値観の大転換が求められている私たち。身の回りではウイルス感染が終わらない不安や崩れる人間関係、将来のプランに体調や心を病む方が増えています。コロナウイスル終息後の世界が、新たな人間社会の形成と共に希望に溢れた生活になることを願っています」ということだった。 

20200423 写真:宙ガール林子さん

 新型コロナウイルス感染防止の最前線で奮闘している医療関係者には心から敬意を表する。さらに、暮らしに欠かせない生活環境を整えている方々にも心から感謝する。

友人には、息子さんが加入している労組に相談して、労祖役員と息子さんの心をひとつにできるように努力してもらっては、という話をした。森ともには、“希望に溢れる生活と人間社会を描き実現したいですね”と返信した。 

Photo  厚生労働省はコロナ感染最前線で働いている医療関係者(一部)の報酬を特別に引き上げた。連合や野党が政府へ要求した結果なのかは分からないが、労働現場や社会的弱者の生活現場を支える連合や野党の運動が見えない。関係者に問い合わすと「やっているのだがマスメディアが取上げてくれない」という言葉が返ってきた。人のせいにするのはいかがなものか。 

P4080267  初めて経験している新型コロナウイルス感染の恐怖。心身ともにコロナ疲れが出てきているが、労働現場や生活現場で生きる弱者の私たちに、ウイルスは何を問いかけているのか。見えない恐怖と向き合う時間を大切にしたい。こんなきっかけをくれた友人、メールを送ってくれた森ともに感謝したい。

(理事 髙橋佳夫)

2020年4月23日 (木)

「もう」「いまさら」ではなく「いまから」にチャレンジ

 森びと東京事務所の関係者にはいつもお世話になっています。皆さん元気ですか、コロナウイルスの鎮静化までお互い気を付けて乗り切りましょう。全国に緊急事態宣言が発せられ、ゴールデンウィークに向けて都道府県をまたぐ不要不急の移動を避ける要請がされています。

7  新型コロナウイルスの余波で、楽しみにしていた私の遊び場が全箇所閉鎖や中止となり、毎年参加している「ぐんま100㌔ウォーク」も1年延期になり残念です。私は今まで大病やインフルエンザにかかったこともなく、健康にはそれなりの自信がありますが、油断はしません。移しても移されても大変であり、一番安全なのは外出を控え、人との接触を減らすしかないと思っています。 

Dscn0667  私は、11月の誕生日を迎えると後期高齢者の仲間入りです。地球温暖化、コロナウイルス対応の政権への怒りは収まりませんが、頭にきているだけでは何の解決にもなりません。

Photo  この空白時を有効に使うことにしています。後期高齢者となる身体のことやこれからの生活を考察する機会にしようと、家に立てこもって何ができるのかを見つけています。田舎暮らしなので、太陽を浴びてのウォーキングで筋力アップ、認知症のリスクが加速させないこと等を心配しています。

20032115  ボーッと生きているわけにはいかないので、立ち止まって考えています。年だから「もう」「いまさら」でなく「いまから」に意識をひっくり返して、毎日(明日は保障されていないが)を楽しく生きていくために、脳と筋肉に刺激を与え、衰えをすこしでも先送りするために思いつくことを何でもやってみて、自分なりにこれはできそうというものを見つけています。自分のためだから、諦めないでいこうと思います。お互い感染には気を付けて安心して森作業ができることを待ちます。(足尾スタッフ・松村宗雄)

2020年4月20日 (月)

春本番?心身は新型コロナでまだ来ぬ春

 東京では葉桜の時と訊きますが、足尾・松木沢の桜はこれからが春本番です。もりびと広場や松木の森の桜は、まだ、3分咲きです。

Photo 写真:宙ガール林子

 待ちかねた春なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で散々な気持を味わっています。しかし、それは見えないウイルスと生きていかなければならない覚悟を求められているようで、私にとっては何かプラス思考な気分です。

Photo_2 足尾のヤナギ

 生活の現場では、そんな呑気なことではなく、日光市の指示で仕事が休業することになり、その後の展望が見通せません。今後の賃金保証、雇用継続の不安で一杯です。私たちも含めて、日本中で中央地方行政から「休業要請」がなされ、雇用不安、会社経営、商店等の倒産危機に直面しています。その先も見えていません。どうやら世界的に初めて経験する社会現象のような気がします。

Photo_3 写真:宙ガール林子

 地球温暖化にブレーキをかける取り組みは命を守る取組みです。また、新型コロナウイルス感染との闘いも「命を守る」取組みです。自国だけの命が護られるかのような対策ではなく、地域での”支え合い、助け合い”から始まって、そのスタンスは生物社会の命を育む循環を守るということを堅持することではないかと思います。

Photo_4 写真:宙ガール林子

 15年間の森づくりで培った森びとの森に向き合う心構えを磨き上げて、「コロナ危機」を乗り切っていきたいと思っています。まずは、「感染しない」「他人に移さない」ことを本気で貫いていきたいと思います。(足尾スタッフ・橋倉喜一)

2020年4月15日 (水)

今、未来を見据えた私たちの生き方が問われている

 世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本でも「不要不急」の外出が浸透されてきました。そのような中、人間や経済活動が制限された影響で、地球温暖化の原因となる大気中のCO2濃度の増加ペースが急減したことが分かったそうです。Camscanner_04152020_193815_3 ローマ教皇フランシスコは、「今回のパンデミック(世界的大流行)は、人類が地球を粗末に扱ったことに自然が反応した一例だ」「神は常に(人の過ちを)お許し下さるが、自然は決して許さない」と語っています。Popevaticancity_5

 また、イギリスの霊長類学者・グドールさんは「世界中で行われている前例のないロックダウン(都市封鎖)という対応によって、より多くの人が目を覚まし、ひいては、どうすれば自分たちの生き方を変えられるのかということを考えるようになればと思う。(中略)何を食べるか、その食べ物はどこから来たのか、その食べ物は動物を虐待して得られたものか、集約農業によって作られたものか、子どもの奴隷労働で作られたから安いのか、生産過程において環境に悪影響を及ぼしたか、どこから何マイル移動してきたのか、車ではなく、徒歩で移動できないか...(中略)私たちが生活の中でできることは、一人一人少しずつ異なるが、私たちは皆が変化を起こすことができる」と語っています。Img_c497ae8f4897d5c3adbb29946e417_4 私たち森びとが訴えてきている地球温暖化にブレーキをかけるため、自然との共生、地産地消の推奨、環境に負荷をかけない移動手段の選択、石炭火力発電による大気汚染物質排出制限などを新型コロナウイルスが収束しても実行・継続していくことが必要です。

20171112_202105_2 最近ふと考えると、行動範囲が家と会社と森びと事務所しかありませんでした。GWは強制的に自分の時間を作って、人混みを避け、太陽を浴びに外に出ます。ストレスを溜めないために森の中に飛び込んで五感を味わうのもリフレッシュするには良いと思うので、今から楽しみです。

20190723_193201 (東京事務所・小林敬)

2020年4月 9日 (木)

自然界の猛威と向き合うには暮らしを変えるしかない

今、人類は文明の岐路に立たされている!

Photo  誰もが新型コロナウイルスに怯え、感染拡大防止の我慢が続いている。自然界の一員である人間が、人間社会の感覚で自然を支配できると傲慢になってきた結果だと思う。そして、ウイルスは人間に、“人間よ、身の丈の生活に戻るべきだ”という警告をしているのではないか。

Photo_2 足尾のヤシャブシが芽をだした

 4月7日、安倍政権は「緊急事態宣言」を7都府県に発令した。各自が感染を広げない行動に徹するほかない。そして、「○○フアースト」という気持ちを捨て、「命ファースト、平和ファースト」に向けて心をひとつにしなくてはならないと思う。

Photo_3  命を育む循環の土台は地球の生態系が元気なことだから、「灼熱の地球」にさせてはならない。ところが安倍政権が提出した2030までの温室効果ガス排出努力目標は、2050年までに実質ゼロする目標には遠く及ばない。提出された目標は、「更なる削減努力を追求する」と強調している程度で終わった。またしても世界の笑いものになってしまった。

Photo_4 松木川から見た中倉山の無言の語り木(ブナ)

 気候危機の深刻化を避けられるかどうかは、これから10年間が勝負だと言われている。小泉環境相は「意欲的で野心的な数値を目指す」と述べているが、経済界に気配りして国民の「命ファースト」が忘れられては困る。私たちも批判していればそれでよし、という訳にはいかない。世界中で木を植えて二酸化炭素の吸収力を高め、二酸化炭素排出量削減を暮らしの中から強化しなければならない。

Photo_5  政府には野心的な削減目標策を求めたアクションをつくり、そのアクションに参加し、自宅ではエネと食の地産地消を取り入れてはどうか。“我慢や不便を楽しむ暮らしとは”を話し合って、世界中に拡げていければと思っている。コロナウイルス感染が収束されるまで、その案を練ってみたい。(森びとアドバイザー・松井富夫)

 

2020年4月 1日 (水)

気候変動とウイルス感染の猛威に向き合う

 オリ・パラ延期が決定した途端、新型コロナウイルス感染が首都圏で広がった気がする。それはともかく自分の命と健康維持のためには感染予防と感染を拡げない「目配り、気配り、心配り」(「三配り))の実行が大切だ。

202004012     足尾ダムから精錬所(2019年)

 そのために、感染気配の察知と防御を心得ておきたい。そのひとつは、感染気配は味覚と嗅覚を効かせて、味や臭いの微妙な変化を見逃さないようにしたい。変化を感じたらためらわずに医療機関に行って検査することだ。「三配り」は家族や親族、そして友人・知人さらには世界の人々にもできることを配っていきたい。

20200401   足尾町の星空(写真:林子さん)

 ウイルスに国境はなく、人間の作ったグローバル市場経済のスピードに乗ってウイルスは世界を駆け巡っている。地球が「灼熱の地球」になってしまうと、凍土や氷柱内の見えない新型ウイルスが動き出すかもしれない。

202004013  私たちはこのような地球上に生きている一員として、生活現場と労働現場を見直す岐路に立たされているのかも知れない。そのヒントは生態系サービスが持続可能な平穏な地球と暮らし方(政治と経済)への変革なのかもしけない。(理事 高橋佳夫)