2020年5月20日 (水)

「森林の日」に描いた“自給自足と地産地消”がベースの今後の暮らし

 本日(5/20)は森林の日。日本の国土の約7割が森林であり森林率は世界でも3番目の森林王国である。その全森林面積の約4割が人工林の杉、檜である。人工林は十分な手入れがされず不健全な森になっている。異常気象の局地的大雨ではその杉、檜が甚大な災害を引き起こす要因にもなっている。

Dscn2386 足尾精錬所跡

 子供の日、地球温暖化の危機を止める文が目に留まった。それは、「最近地球温暖化による漁業や農業の被害をテレビで目の当たりにすることが多い。農業の例で言えば例年に比べ気温が高いため雪が降らず土が凍り野菜が出荷できなくなってしまう。漁業では水温が高いままで例年取れる魚がとれないということも起きている。この温暖化を止める1つの方法として排気ガス等を削減することが大切だと僕は思う。排気ガスを減らすためにすることは沢山あるが一番取り組みやすいのは、歩いて行ける所には車は使わない事だ。たったこれだけでも排気ガスを削減できます。難しく考えずに身近なことから取り組んでいくことが大切だ」という12歳男子が書いた文。

Dscn2388 半世紀後も続く緑化事業

 男子の文が胸に響き、今までの森づくりの延長線上では駄目だと思った。心を入れ変えて、次世代の命を育む基盤となる木を植えようとシニアに呼びかけ、私の森づくりエリアの足尾で木を植えていく。

Photo  木を植えながら、新型コロナウイルス感染脅威で考えさせられた今後の日本の暮らし方を語り合いたい。そのひとつは「自給自足・地産地消」であり、その暮らしの基盤は健全な森の恵みが持続していくことが前提ではないか。そのための森づくり運動を描いてみた「森林の日」。シニアは縁側でのんびりしている場合ではない。今後も異常気象とウイルスの脅威は止まらない。シニアは次世代のために1本でも木を植えよう。(森びとアドバイザー:松井富夫)

 

2020年5月11日 (月)

生物生存の危機を迎えないために、地球温暖化防止は待ったなし!

 昨年末からの記録的な暖冬により山や里に雪が降らず、田植え用の水は大丈夫だろうかと心配をしていましたが、山に降った雨を木々が根に溜め、地中を通じて川に湧き出た水が、用水路を通じて“田んぼ”に給水され、田植えが行われていました。兼業農家が多くなっているのでGWが田植えのピークになっていましたが、川の水量が少なく下流域まで届くには時間がかかっているようです。

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 そして、地下水を井戸(水道)で汲み上げ利用できる“水の循環”によって私たち人間の命はつなげられていることを実感します。
二毛作の農地の麦畑ではツバメやヒバリが虫を捕るために忙しく飛び交い、田植えの終わった水田の中では、カモが水中の草を食んでいました。森の恵みは下流域の生き物たちの命をつないでいます。

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 「八十八の手間をかけて米は作られる」といわれますが、我が家で消費する米は、栃木県内の小さな河川・姿川の水を引き込んだ“田んぼ”で実家の兄が育てたコシヒカリです。秋の収穫が待ち遠しいですが、昨年の台風19号では増水した水が堤防を越え、川沿いの田畑に土砂が流入してしまいました。実家の田んぼは被害をまぬかれましたが、広いエリアが水につかりました。今年の田植えは大丈夫かと心配しましたが、復旧工事が進み田植えが行われており安心しました。

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 農家の皆さんが手塩にかけて育てた米や野菜が水につかる映像は、育てた方の悲しみが伝わり、いたたまれない気持ちになりました。
今年は穏やかな気候を望みますが、5月6日沖縄県糸満市では1時間に約110ミリの猛烈な雨が降り「記録的短時間大雨情報」が発表されました。新型コロナウイルス感染の世界的拡大により経済活動が停滞した結果、温室効果ガス排出が一時的に低下したようですが、気候変動・温暖化の速度は上がっているように感じます。

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 今年1月14日に2019年の世界の海水温度が記録史上最高となったことを科学者らが発表しました(AFPBB NEWS)。人為的な温室効果ガス排出による海洋温度の進行ペースがますます早くなっており、地球の気候に破滅的な影響が及ぶおそれがあるといいます。学術誌「Advances in Atmospheric Sciences」に掲載された研究論文によると2019年の海水温は過去(1981年~2010年)の平均値を0.075℃上回ったといいます。0.075℃上昇するためには、228ゼタジュール(10の21乗ジュール)の熱量が必要で、論文の執筆者のチェン・リジン氏がCNNのインタビューに答えた内容によると、広島に投下された原爆の熱量は63兆ジュール、過去25年間で海に蓄積された熱量は、その36億個分に相当し、毎秒4個の原爆を投下し続けたのと同じ熱量になるそうです。想像もできないほどの熱量です。
 そして、オーストラリア南東部で数カ月猛威を振るった森林火災など気候関連の災害と海洋温暖化との間には明確な関連性が存在するといいます。
 さらに、世界気象機関(WMO)は4月22日(アースデー・地球の日)、過去50年間で世界の平均気温が0.86℃上昇したと発表しました。今後5年間で平均温度はさらに上昇すると見込まれ、特に高緯度地域で影響が深刻になると予測し、地球温暖化に警鐘を鳴らしました。

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 2005年9月3日、「このままでは地球がおかしくなってしまうのでは?」という危機感から、地球上のすべての生命にとって欠かすことのできない「いのちの森」をつくろうと、故岸井成格前理事長を先頭に“森びとプロ”を結成し、足尾の地から森づくりをスタートしました。5月15日、岸井前理事長の命日を迎えます。荒廃地での15年の森づくり・育樹活動を通じて成長した現在(春)の足尾の森・杜では、桜が咲き、林床にも可憐な花が咲き、鳥や虫たちが花をついばみ、蜜を吸っています。民集の杜に卒寿記念で植樹した“ホウノキ”も芽吹き、旧松木村の各森も若葉を広げ始めています。

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 オーストラリアの森林火災は10億匹以上の生き物の命を奪いました。失われた命を戻すことはできませんが、森を再生することで新たな命の営みをつくりだすことができることを15年の森づくりが教えてくれます。

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 故岸井前理事長は、政治の“劣化”を憂い「自然環境も、市民のパワーも“劣化”させてはならない」と私たちに“檄”を飛ばしました。新型コロナウイルス後の経済復興で地球温暖化の進行では“新たなウイルスの危機”を生みだしかねず、「新しい生活様式」は私たちの生活スタイルの見直しと同時に、石炭火力・原子力依存を脱却し、再生可能エネルギーへの転換を求めていかなければ“生物生存の危機”を招いてしまいます。

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 「地球温暖化防止は待ったなし!」、“天空の森”の故岸井前理事長の声が足尾、八幡平、南相馬の森に響いているように感じます。森ともの皆さんと手を携え、自然環境と人間の命を大切にする心を育み、“山と心に木を植えて”いきます。
(理事 清水卓)

2020年4月28日 (火)

見えない恐怖と向き合える時間を無駄にしない

 友人から電話とメールがあった。コロナ感染を心配して電話をしてくれた。彼は、息子が務める会社の事務系社員は自宅待機だが、電車の車掌をしている息子は普段と変わらない。お客は少ないが接触する機会が多いということで、息子への助言を求めていたと察知した。

 暫らく経って、女性の森ともからメールが届いた。要約すると、「ウイルスによって社会や経済活動への価値観の大転換が求められている私たち。身の回りではウイルス感染が終わらない不安や崩れる人間関係、将来のプランに体調や心を病む方が増えています。コロナウイスル終息後の世界が、新たな人間社会の形成と共に希望に溢れた生活になることを願っています」ということだった。 

20200423 写真:宙ガール林子さん

 新型コロナウイルス感染防止の最前線で奮闘している医療関係者には心から敬意を表する。さらに、暮らしに欠かせない生活環境を整えている方々にも心から感謝する。

友人には、息子さんが加入している労組に相談して、労祖役員と息子さんの心をひとつにできるように努力してもらっては、という話をした。森ともには、“希望に溢れる生活と人間社会を描き実現したいですね”と返信した。 

Photo  厚生労働省はコロナ感染最前線で働いている医療関係者(一部)の報酬を特別に引き上げた。連合や野党が政府へ要求した結果なのかは分からないが、労働現場や社会的弱者の生活現場を支える連合や野党の運動が見えない。関係者に問い合わすと「やっているのだがマスメディアが取上げてくれない」という言葉が返ってきた。人のせいにするのはいかがなものか。 

P4080267  初めて経験している新型コロナウイルス感染の恐怖。心身ともにコロナ疲れが出てきているが、労働現場や生活現場で生きる弱者の私たちに、ウイルスは何を問いかけているのか。見えない恐怖と向き合う時間を大切にしたい。こんなきっかけをくれた友人、メールを送ってくれた森ともに感謝したい。

(理事 髙橋佳夫)

2020年4月23日 (木)

「もう」「いまさら」ではなく「いまから」にチャレンジ

 森びと東京事務所の関係者にはいつもお世話になっています。皆さん元気ですか、コロナウイルスの鎮静化までお互い気を付けて乗り切りましょう。全国に緊急事態宣言が発せられ、ゴールデンウィークに向けて都道府県をまたぐ不要不急の移動を避ける要請がされています。

7  新型コロナウイルスの余波で、楽しみにしていた私の遊び場が全箇所閉鎖や中止となり、毎年参加している「ぐんま100㌔ウォーク」も1年延期になり残念です。私は今まで大病やインフルエンザにかかったこともなく、健康にはそれなりの自信がありますが、油断はしません。移しても移されても大変であり、一番安全なのは外出を控え、人との接触を減らすしかないと思っています。 

Dscn0667  私は、11月の誕生日を迎えると後期高齢者の仲間入りです。地球温暖化、コロナウイルス対応の政権への怒りは収まりませんが、頭にきているだけでは何の解決にもなりません。

Photo  この空白時を有効に使うことにしています。後期高齢者となる身体のことやこれからの生活を考察する機会にしようと、家に立てこもって何ができるのかを見つけています。田舎暮らしなので、太陽を浴びてのウォーキングで筋力アップ、認知症のリスクが加速させないこと等を心配しています。

20032115  ボーッと生きているわけにはいかないので、立ち止まって考えています。年だから「もう」「いまさら」でなく「いまから」に意識をひっくり返して、毎日(明日は保障されていないが)を楽しく生きていくために、脳と筋肉に刺激を与え、衰えをすこしでも先送りするために思いつくことを何でもやってみて、自分なりにこれはできそうというものを見つけています。自分のためだから、諦めないでいこうと思います。お互い感染には気を付けて安心して森作業ができることを待ちます。(足尾スタッフ・松村宗雄)

2020年4月20日 (月)

春本番?心身は新型コロナでまだ来ぬ春

 東京では葉桜の時と訊きますが、足尾・松木沢の桜はこれからが春本番です。もりびと広場や松木の森の桜は、まだ、3分咲きです。

Photo 写真:宙ガール林子

 待ちかねた春なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で散々な気持を味わっています。しかし、それは見えないウイルスと生きていかなければならない覚悟を求められているようで、私にとっては何かプラス思考な気分です。

Photo_2 足尾のヤナギ

 生活の現場では、そんな呑気なことではなく、日光市の指示で仕事が休業することになり、その後の展望が見通せません。今後の賃金保証、雇用継続の不安で一杯です。私たちも含めて、日本中で中央地方行政から「休業要請」がなされ、雇用不安、会社経営、商店等の倒産危機に直面しています。その先も見えていません。どうやら世界的に初めて経験する社会現象のような気がします。

Photo_3 写真:宙ガール林子

 地球温暖化にブレーキをかける取り組みは命を守る取組みです。また、新型コロナウイルス感染との闘いも「命を守る」取組みです。自国だけの命が護られるかのような対策ではなく、地域での”支え合い、助け合い”から始まって、そのスタンスは生物社会の命を育む循環を守るということを堅持することではないかと思います。

Photo_4 写真:宙ガール林子

 15年間の森づくりで培った森びとの森に向き合う心構えを磨き上げて、「コロナ危機」を乗り切っていきたいと思っています。まずは、「感染しない」「他人に移さない」ことを本気で貫いていきたいと思います。(足尾スタッフ・橋倉喜一)

2020年4月15日 (水)

今、未来を見据えた私たちの生き方が問われている

 世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本でも「不要不急」の外出が浸透されてきました。そのような中、人間や経済活動が制限された影響で、地球温暖化の原因となる大気中のCO2濃度の増加ペースが急減したことが分かったそうです。Camscanner_04152020_193815_3 ローマ教皇フランシスコは、「今回のパンデミック(世界的大流行)は、人類が地球を粗末に扱ったことに自然が反応した一例だ」「神は常に(人の過ちを)お許し下さるが、自然は決して許さない」と語っています。Popevaticancity_5

 また、イギリスの霊長類学者・グドールさんは「世界中で行われている前例のないロックダウン(都市封鎖)という対応によって、より多くの人が目を覚まし、ひいては、どうすれば自分たちの生き方を変えられるのかということを考えるようになればと思う。(中略)何を食べるか、その食べ物はどこから来たのか、その食べ物は動物を虐待して得られたものか、集約農業によって作られたものか、子どもの奴隷労働で作られたから安いのか、生産過程において環境に悪影響を及ぼしたか、どこから何マイル移動してきたのか、車ではなく、徒歩で移動できないか...(中略)私たちが生活の中でできることは、一人一人少しずつ異なるが、私たちは皆が変化を起こすことができる」と語っています。Img_c497ae8f4897d5c3adbb29946e417_4 私たち森びとが訴えてきている地球温暖化にブレーキをかけるため、自然との共生、地産地消の推奨、環境に負荷をかけない移動手段の選択、石炭火力発電による大気汚染物質排出制限などを新型コロナウイルスが収束しても実行・継続していくことが必要です。

20171112_202105_2 最近ふと考えると、行動範囲が家と会社と森びと事務所しかありませんでした。GWは強制的に自分の時間を作って、人混みを避け、太陽を浴びに外に出ます。ストレスを溜めないために森の中に飛び込んで五感を味わうのもリフレッシュするには良いと思うので、今から楽しみです。

20190723_193201 (東京事務所・小林敬)

2020年4月 9日 (木)

自然界の猛威と向き合うには暮らしを変えるしかない

今、人類は文明の岐路に立たされている!

Photo  誰もが新型コロナウイルスに怯え、感染拡大防止の我慢が続いている。自然界の一員である人間が、人間社会の感覚で自然を支配できると傲慢になってきた結果だと思う。そして、ウイルスは人間に、“人間よ、身の丈の生活に戻るべきだ”という警告をしているのではないか。

Photo_2 足尾のヤシャブシが芽をだした

 4月7日、安倍政権は「緊急事態宣言」を7都府県に発令した。各自が感染を広げない行動に徹するほかない。そして、「○○フアースト」という気持ちを捨て、「命ファースト、平和ファースト」に向けて心をひとつにしなくてはならないと思う。

Photo_3  命を育む循環の土台は地球の生態系が元気なことだから、「灼熱の地球」にさせてはならない。ところが安倍政権が提出した2030までの温室効果ガス排出努力目標は、2050年までに実質ゼロする目標には遠く及ばない。提出された目標は、「更なる削減努力を追求する」と強調している程度で終わった。またしても世界の笑いものになってしまった。

Photo_4 松木川から見た中倉山の無言の語り木(ブナ)

 気候危機の深刻化を避けられるかどうかは、これから10年間が勝負だと言われている。小泉環境相は「意欲的で野心的な数値を目指す」と述べているが、経済界に気配りして国民の「命ファースト」が忘れられては困る。私たちも批判していればそれでよし、という訳にはいかない。世界中で木を植えて二酸化炭素の吸収力を高め、二酸化炭素排出量削減を暮らしの中から強化しなければならない。

Photo_5  政府には野心的な削減目標策を求めたアクションをつくり、そのアクションに参加し、自宅ではエネと食の地産地消を取り入れてはどうか。“我慢や不便を楽しむ暮らしとは”を話し合って、世界中に拡げていければと思っている。コロナウイルス感染が収束されるまで、その案を練ってみたい。(森びとアドバイザー・松井富夫)

 

2020年4月 1日 (水)

気候変動とウイルス感染の猛威に向き合う

 オリ・パラ延期が決定した途端、新型コロナウイルス感染が首都圏で広がった気がする。それはともかく自分の命と健康維持のためには感染予防と感染を拡げない「目配り、気配り、心配り」(「三配り))の実行が大切だ。

202004012     足尾ダムから精錬所(2019年)

 そのために、感染気配の察知と防御を心得ておきたい。そのひとつは、感染気配は味覚と嗅覚を効かせて、味や臭いの微妙な変化を見逃さないようにしたい。変化を感じたらためらわずに医療機関に行って検査することだ。「三配り」は家族や親族、そして友人・知人さらには世界の人々にもできることを配っていきたい。

20200401   足尾町の星空(写真:林子さん)

 ウイルスに国境はなく、人間の作ったグローバル市場経済のスピードに乗ってウイルスは世界を駆け巡っている。地球が「灼熱の地球」になってしまうと、凍土や氷柱内の見えない新型ウイルスが動き出すかもしれない。

202004013  私たちはこのような地球上に生きている一員として、生活現場と労働現場を見直す岐路に立たされているのかも知れない。そのヒントは生態系サービスが持続可能な平穏な地球と暮らし方(政治と経済)への変革なのかもしけない。(理事 高橋佳夫)

2020年3月16日 (月)

桜の開花の早まりは、「喜び」よりも全生物の「危機」と受け止めよう!

 昨日3月14日、気象庁は東京・靖国神社にある桜(標本木のソメイヨシノ)が開花したと発表しました。平年より12日早く、昨年より7日早い開花で統計開始以来最も早い開花日となったそうです。
 例年だと、各地の公園では春の訪れを楽しむように花見客でにぎわいます。今年は新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、政府も「危機感」を持ち感染拡大の予防を呼びかけています。感染拡大のリスクを減らすために各地の「花見イベント」が自粛となり、私の住む町でも「中止」となりました。自宅の鉢植えの桜も3輪「開花」したので、例年「花まつり」の行われる公園の開花状況を見に行きました。

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早咲きの「淡墨桜」(岐阜県から実生を譲り受けた地元の方が育て移植)は3分から4分咲きで、家族連れやカメラマンが花を楽しんでいました。敷地内には他にも開花した桜がありカメラに収めました。

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桜以外にも自宅近くでは菜の花の黄色い花がひらき、ミツマタの花が満開です。鳥たちも梅の花をついばみ、春の訪れを喜んでいるようです。

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 桜の開花が早まることは、気温の上昇が早まっていることの裏返しで喜ばしいことではありません。世界気象機関(WMO)は3月10日、2019年の世界の平均気温が産業革命と比べて1.1度上昇したとする報告書を発表しました。グテレス国連事務総長は「このままでは(産業革命前から)1.5~2度の上昇に抑えるというパリ協定の目標を達成できない」と危機感をあらわにしています。WMOのターラス事務局長は、今年が史上最も暖かい1月になるなどと指摘し、南極で過去最高とみられる18.3度が観測されたことにも言及しています。(3/11下野新聞)
 温暖化によって南極の氷が解け、北極圏の氷河や永久凍土が解け始めています。太古の昔に氷に閉じ込められた「未知のウイルス」が空気中に放出されることも想定しなければならない、と危機感がつのります。

Photo      【2020.3.11 下野新聞】


 
オーストラリアの大規模森林火災と日本の今冬の暖冬傾向に関して、インド洋の東側と西側で海水温に差が出る「インド洋ダイポールモード現象(IOD)」が要因とされると注目されています。「IODは約20年前、宇都宮市出身で東京大学名誉教授の山形俊夫さんらが発見し命名した」と地元紙(下野新聞3/2)は伝えています。山形さんは人為的な温室効果ガスの排出がもたらす海洋の温度化で、IODの発生頻度が高まっていると危惧しています。

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温室効果ガスの吸収源である世界の森が乱伐や森林火災によって減少し、海水面上昇や台風の巨大化によって発生する被害は、地球上に生きる全生物に影響するという現実に目を向けなければなりません。
地球温暖化をストップさせるには「評論」ではなく、化石燃料依存から自然エネルギーへの転換と、吸収源である森を元気にしなければなりません。「評論」より、一本でも多く木を植える、育てる「実践」が問われていることを月末の森びと総会では語り合いたいと思います。

(事務局・清水 卓)

2020年2月29日 (土)

有権者の政治参加なくして温暖化は防げない

 春がやって来た!と喜んでいられないのが今年の3月だ。特に、受験や卒業式、終業式そして入学式や入社式を心待ちにしていた子供たちや社会人にとっては、新型コロナウイルス感染対策で日本の慣習を体験できなくなってしまうようだ。気象庁は「大暖冬」ということなので、大好きな花見の開催も怪しくなってきそうだ。これまでの五感を磨き上げていかなければと思ってしまう。

P6074981  季節の移り変わりが変化している気配を見極めなければと思う。このままの暮らし方を続けていると、人間の手におえない季節を迎えてしまうのではないかという不吉な気配がする。

P5050554  そうなる前にできることは何か、エコな暮らし方に転換するだけでは間に合わない気がする。何故なら、温室効果ガス排出量トップの中国、次のアメリカ、3位のインドそして日本政府は、2050年までに排出ゼロにするという考え方を示していないからだ。自然の吸収力は衰弱し、排出は増え、濃度が高くなって、排出された二酸化炭素が消えていくのには100年以上の時間がかかる。

7  国が動かないことには手におえない気候変動が起こってしまうということは誰でも感じていると思う。下旬に開催される当会の通常総会ではこの事を主張したい。(事務局 福澤 猛)