2022年6月30日 (木)

7月、8月への心配は尽きない

    東京ではまだ6月というのに、5日連続の猛暑日(35℃超)です。仕事柄、駅のホームに出てサウナにいる時と同じように感じながら仕事をしています。最近、車内や駅構内で体調を崩されてる方が増えています。

20220629_182948_2

    政府は東京電力管内で初となる「電力需給逼迫注意報」を発令しました。他方で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、火力発電に使用する燃料価格の高騰等を背景に10%~30%電気料金の上昇が続いており、昨日さらに8月から電気料金値上げすることが発表されました。

20220629_184409

    今月22日から参議院議員選挙が公示され、原発への攻撃リスクを直視し、脱原発を加速すべきだとする立憲民主党など野党と、原油価格高騰に対応するため原発の再稼働を進めるべきだとする自民党や維新との意見が分かれています。20220629_221020    2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故以降、政府は原発再稼働路線を進め、接続の拒否などで再エネの普及を妨害してきました。そのうち再エネは一番安いエネルギーに変わりましたが、原発事故費用や容量市場として原発や火力のコストまで新電力に乗せ、潰しにかかっているように見えます。

    私たち市民からすると、この3年間コロナウイルスに振り回され、賃金やボーナスは上がらず、さらにあらゆる物の値上げと三重苦、四重苦を強いられています。ここに来て、さらに節電が求められています。私の職場では、節電の取り組みとして切符の券売機の稼働台数を縮小したり、部屋の一部の電灯を消灯するなどしていて、引き続き行っていくとしています。

20220629_074056_2    しかし、駅のホーム(1面2線)には10台以上の自動販売機が設置されており。そもそも自前の電気とはいえ、こんなに自動販売機が必要なのでしょうか、全て稼働させる必要はないと思います。

20220629_183028_2    この11年間、原発再稼働に固執し、安定的な電力供給の確保に取り組んでこなかった政府。私たち市民にそのツケを回すのは全くもっておかしいです。今日で6月は終わりますが、このままでは7月と8月はどうなってしまうのか非常に不安です。私は「世紀末に生存不安定な時代を迎えないために~」だとか、「2025年までに~」と言っていましたが、ここ数ヵ月さえ心配になってくるほどの危険が迫っていることを体感しています。節電で乗り切れるほど単純ではありません。私たちがこの先、安心して託せるのは、どこ(の政党)で、誰なのか。7月12日の投票の参議院議員選挙は、必ず投票に行って自分の意思を示しましょう。

(運営委員・小林敬)

2022年6月27日 (月)

元気の素になってほしい「いのちの森」づくり作業

 6月24日、宮城県ファンクラブは名取市内の「いのちの森」で、今年2回目の育樹作業を行いました。当日の作業は、ヤブツバキ、シロダモ、ユズリハ、アカガシ、アオキを66本補植し、蔓(つる)の侵入を遮るための草刈りと草抜きを行いました。Dsc01160 森の中では、昨年初めて実を付けたヤマグリの花が咲きはじめていました。秋には仲間達と「栗拾い」を行い、自然の恵みを頂けるのではないかと、今から楽しみです。Dsc01159  森は自然の恵みだけでなく、自然と接することで純粋な癒し効果があるという、科学的な証拠や研究が出されています。「がん細胞を攻撃する血中のナチュラルキラー細胞が増え、ストレスや苛立ちの存在を示すアドレナリン濃度が減少する」という報告が出されているようです。そのことが寿命や長期的な健康に、どの程度貢献できるかは分かっていませんが、短時間でも森作業をしているとその恩恵があるかもしれません。作業終了後は爽快感と充実感、さらに自然に体が包まれているような感じがしました。

Dsc01162 これからは木を植えてくれた方々と「いのちの森」を訪れ、私たちは森に生かされていることを実感してほしいと思います。(宮城県FC・林雄一)

「脱炭素社会」を目指して!森びとプロジェクト第3回総会開催。

 本日6月26日(日)、東京都文京区の林野会館会議室において第3回総会を開催しました。12時過ぎには外気温は35度に上昇し、受付を済ませた正会員の皆さんは6月の異常な暑さに気候の変化を口にしていました。

Dsc06283

 総会は新型コロナウイルス感染予防を考え、総会参加にあたっての県外移動を減らすため、林野会館会議室とオンライン参加の正会員をZoomで繋ぎ開催されました。

 13時、大野運営委員の司会で総会が開会。総会には正会員365名中311名の参加(委任状含)があり、会員の3分の1以上の参加を確認し成立が宣言されました。

Dsc06277

 議長に加賀春吾さんを選出し、議事進行が行われました。中村幸人代表より主催者あいさつをいただき、以降、議事次第に基づき第1号議案:2021年度活動経過報告(森作業を動画で見ていただきました)、第2号議案:2021年度収支決算報告、会計監査報告を行い、承認をいただきました。

Dsc06269

 引き続き第3号議案:2022年度活動方針案、第4号議案:2022年度予算案が提案され、各県で森づくり活動や温暖化防止に向け地域の皆さんと活動を進める会員の皆さんから発言をいただきました。

 太平洋沿岸での森の防潮堤づくり(宮城県荒浜・名取市)、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援、足尾での里親植樹に参加しての思い、森林セラピーや森に生かされていることを感じる森の「エコ散歩」・森の案内、森びと各県ファンクラブ間の交流など1年間の活動を振り返り学んだことや、今後の目標などが発言されました。

Dsc06281

 会場内にはオンライン参加の会員がスクリーンに映し出され、会場とスクリーン内の一体感を感じながら12名の正会員から発言をいただき2022年の活動方針を豊富化していただきました。

Dsc062861

 運営委員会からの答弁を行った後、第3号議案、第4号議案の承認が確認され、第5号議案:運営委員、会計監査の選任を行いました。今総会で、中村幸人代表、太宰初夏運営委員が退任し、新たに桜井勝延さんが新代表に、大山博延さんが運営委員に選出されました。中村幸人さんは植生アドバイザーとして私たちの森づくりに助言を頂きます。

Dsc05915

 今年度は森びとのアクションプランをまとめて、政府や行政等に意見を届けていきたいと思います。森づくりに関しては、昨年度に引き続き「里親植樹」を実施し、「りんねの森」づくりという植物遷移を観察できる森づくりを開始し、第1回7月10日、第2回20日に植樹を実施します。

Dsc06037_2

 やれることは小さいことですが、やっていくことは「脱炭素社会」を生き抜くために、地球全体のシステムを調整する機能を健全にしていく“いのちの森づくり”です。

Dsc05898

第3回総会に参加された正会員の皆さま、見守ってくれた賛助会員の皆さま、森ともの皆さま、活動を支えて下さったすべての皆さまに感謝申し上げます。森びとプロジェクトは今年度も、山と心に木を植えていきます。

(副代表 清水 卓)

 

 

2022年5月30日 (月)

小さな森の防潮堤の木々の緑は鮮やか

 昨日(5/29)、今年最初の育樹作業を行いました。5ヶ月ぶりの名取市の「いのちの森」の木々はどのくらい生長しているのか、この冬は雪が多かったので冬枯れが多いのではなどの期待と不安をもって、一行は現地に着きました。Dsc01153 常緑樹が若干枯れていましたが、落葉樹の鮮やかな新緑が大空に葉を広げていました。森の中に入ると、年々豊かな森になりつつあることが実感できました。Dsc01158 Dsc01154 この日は、常緑樹を中心に75本の苗木を補植し、その他は草刈りを行いました。森作業を通じて、今、地球上で命をつないでいる生物の生存が人間の生活の結果として脅かかされている危機的な状況にあること、その要因である地球温暖化と向き合う気持ちを参加者一同で共有しました。Dsc01156  育樹作業に初めて参加してくれたJREUOBからは、「こんなに生長しているとは思っていなかった。作業は暑かったが気持ちのいい汗を流すことができた。次も参加したい」との感想が出されました。応援に駆けつけてくれた森びと福島県ファンクラブの斎藤さん、ありがとうございました。

(森びと宮城県FC代表・林 雄一)

2022年5月 1日 (日)

やってみて分かることを改めて実感

 里山は人の営みのもとに草原から森林まで様々な代償植生が見られます。原生の状態では出現しない日本の人里を豊かにする植物たちで構成されています。

20220501_070928_3    先日、研修講師として横浜市の舞岡公園に出かけてきました。横浜市の職員、地元の指定管理の方、生物調査会社の方など10数名と観察を楽しみました。雑木林は長いこと放棄され、アズマネザサに覆われていたのですが、年に1回の刈り取りのおかげで、ササの背丈が短く、疎らになり、ハエドクソウ、ヤマユリ、ホウチャクソウ、ヌスビトハギ、オケラ、キンラン、ケスゲなど、雑木林の多年生の林床植物が蘇っていました。ところが面白いことに隣の刈り取り地では、同じように年一度の刈り取りなのですが、よそ者の一年生植物のミゾイチゴツナギとツユクサのほかは、雑木林の林床は復活していません。この違いが何なのだろうと管理者に聞きましたら、同じ一回の刈り取りでも、貧相な方は夏の刈り取り、豊かな方は冬の刈り取りということでした。

9784865783360    なるほど、冬なら常緑のササだけ刈り取れるけど、夏だと成長した多年生草本類も一緒に刈り取ることになるわけです。ササの勢いを止めるには栄養分が地上部に集中する夏に刈り取るのが効果的なのですが、他の林床植物には良くないのがわかりました。やってみて初めて分かることが、生態学には沢山あるということですね。(代表・中村幸人)

2022年4月24日 (日)

新たな組織体制で森づくりへの再出発誓い合う

 昨日4月23日、福島県ファンクラブは、福島県南相馬市情報交流センターにて総会を開きました。昨年の総会以降、新型コロナウイルス感染拡大等による「自粛と我慢」で活動が思うようにいかない時期が続きました。しかし、今年度は新たなシニア世代が活動できる組織体制と規約の一部改正の議論づくりを目標に準備を進めてきました。総会では、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスク着用、消毒、3密対策に留意し、従来の形式にとらわれず、自由闊達な意見交換ができる環境づくりを心掛けました。

Fc2022423_5

 岩橋副代表の議事進行で総会は進められました。最初に、森田事務局メンバーの逝去に対し全員で黙とうをささげました。享年61歳の若さで逝ってしまった無念さと、彼の意志を受け継ぎ、「命を守る森の防潮堤づくり」に頑張っていこうとお互いに誓い合いました。

Fc2022423_6

 続いて、福島県ファンクラブ代表の東城より、『私たちには、やらなくてはならない課題は山積されていますが「山と心に木を植えよう」を合言葉に、森びとプロジェクトの活動に参画し、応援隊の仲間や森びと各県ファンクラブとの連携で、地球温暖化防止にむけて一緒に活動を推進していこう』と挨拶がありました。

2022423_3

 お忙しい中、来賓のあいさつにかけつけてくれた金子恵美衆議院議員、高野光二県会議員大変ありがとうございました。

2022423_4

 斉藤事務局からの経過報告、今後の事業計画、規約の一部改正について一括提起され、全体で確認し、森びと福島県ファンクラブ総会は無事終了しました。

 総会終了後、事務局の武藤・柏木スタッフと共に植樹会場の視察と森の散策を行いました。10年前にどんぐりを拾い、ポットで育ててきた幼木がこんなに大きく生長し、5m近い森へとなっていることに驚きと感動の様子でした。6月5日には第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭に積極的に参加していく決意が改めて話されました。

32022423

(第3回植樹祭会場:2016年3月27日原町区・タブノキの前で撮影)

 森びと福島県ファンクラブは、森びとプロジェクト、応援隊の仲間と全国の植林ボランティアのみなさんと共に、6月5日開催の第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭を担ってきます。よろしくお願いします。

 森びと福島県ファンクラブ事務局のみなさん、応援隊のみなさん大変お疲れさまでした。

(報告  東城 敏男)


2022年4月17日 (日)

都心の自然公園で探し当てたい森の生きる知恵

 今週の週初めは真夏日が続き、14日15日は台風1号の影響もあり肌寒く雨模様となり、寒暖差の厳しい気候変動を感じる週でした。昨日17日は天候に恵まれ2月に続き「森びとゼミ(仮称)」の第二回目の下見を5名で実施しました。

Fc

 その場所は、先人が森に寄り添って生きてきたことを実感できる公園で、東京都内の森びと事務所から徒歩で20分の所にあります。JR目黒駅東口から東へ徒歩10分程の所にある「自然教育園」は、年間を通して多くの老若男女が自然豊かな森の散策を満喫している自然公園です。資料によると、室町時代からの「土塁」が残る屋敷林は、東京ドーム(46,755㎡)が4個分の広さで、人と自然が共生していくことを学べます。今年から始める新事業のひとつとして、「森びとゼミ(仮称)」がありますが、その会場の候補地が「自然教育園」です。 

Fc2

 森びと東京都ファンクラブはこの事業をサポートしていきたいと思っています。この森は、東京大空襲の被害を受けませんでしたので、貴重な自然を残しています。巨木として生長しているのはスダジイ、クスノキ、タブノキで、それを支えているのがシダ類、アオキ、ヒサカキ等の低木。林床には四季折々の草、そして池では水生植物も見られます。この森は小鳥等の生きものたちの住処となり、小さな生物たちの社会が垣間見えます。

Fc_2

Fc_3

 大量生産・大量消費・大量破棄の生活スタイルが気候危機を招き、そのことによって世紀末の生存が不安定な地球環境に激変するのではないかと言われている中で、「2050年カーボンニュートラル」の生活スタイルを描くきっかけを参加者と一緒に探すことができればと思っています。そのサポートをできることを楽しみにしながら、春の「自然教育園」を散策し夏に「皆様との出会い」を楽しみに準備しています。細部はホームページでお知らせしますので宜しくお願いします。

(東京都ファンクラブ 阿部得男)     

南房総の潮風と新緑の風を愉しんで欲しい森作業

 4月に入り、当ファンクラブは新活動を「花嫁街道」からスタートしました。Photo1月、「花嫁街道」の見晴らし台ベンチをシニア達が5基設置しましたが、ハイカーの方々からきれいなベンチがあり、休憩や食事をするのにとても助かるという声が多く届いています。Photo_2 今回は、烏場山展望台に登る階段の補修をしました。9日には階段の修理を行いましたが、風の合間に囀る野鳥の声が気持ちをほっとさせてくれました。登山道には暖かい春の日差しに誘われた30名程のハイカーが散策していました。ハイカーからは「ごくろうさま」との声があり、私たちはその声を聴く度に元気をいただきました。Photo_3

Photo_4  ハイキンコースの両脇にはイノシシが荒らした跡が箇所も見られ、足跡をよく見ると子ずれの群れもいるようで、ハイカーには注意してほしいと思いました。Photo_5

Photo_6
「花嫁街道」は間もなくNHKの「吉田類 日本百低山」で放送される予定ですので、森の中は人間だけの楽しみの場所ではないことを忘れないでほしいと思います。そのような事を話し合いながらの補修と整備を行いました。潮風と森の風が美味しくなる季節ですので、花嫁街道の散策を楽しんでいただきたいと思います。Photo_7
千葉県ファンクラブ 相川、武田

2022年4月 1日 (金)

新年度を迎え、日光板橋城山のこれからを想う!

 今朝、足尾・松木沢の山々は雪に染められていた。冷え込みも厳しく、予報通りの天気でした。

 今日は栃木県ファンクラブのメンバーと、城山の「観桜会」をしに行くことにしました。本当ならば、2年前植樹をしてくれた皆さんや、地域の皆さんと一緒に見たいところですが、新型コロナ感染拡大防止のために諦めました。

Dscn8071

Dscn8072

 4人のメンバーは、桜の花に出会える期待を胸に、階段を登って植樹地に着きましたが、ガッカリしてしまいました。早咲きの河津桜は花びらを散らし、それ以外の桜たちは、まだ蕾のままでした。

Dscn8081

Dscn8080

 少し気落ちしてしまいましたが、そこは森びと。桜の木の手入れや、まだ小さい広葉樹周辺の手入れ作業を始めました。雪をかぶった日光連山を眺めながら、新鮮な空気を吸い込み、清々しい気分になりました。

Dscn8078

Dscn8073

Dscn8079

Dscn8082

 登山してきた高齢の女性は、「河津桜の咲いてるところを見たわよ! あと4~5年したら綺麗な花を沢山つけてくれるわ!楽しみにしています。それまで生きていなくちゃ!」と笑顔で激励してくれました。

Dscn8077

 この1年、ここ城山で何をしなければいけないのか?県ファンクラブメンバーの頭にいくつか課題が浮かんだ一日でした。草刈りなどの育樹活動、地域の皆さん・子供達との交流、大和木材・福田社長との連携、など温暖化問題を見据えた取り組みが求められます。  

Dscn8085  

  「観桜会」が済んだ後、近くの知り合いのレストランで、イノシシ肉入りのカレーランチを食べ、3・26シンポジウムの感想などを出し合いました。途中、線路巡回のJRの皆さんが昼食に立ち寄り、思わぬ出会いもありました。

 今日の参加者は、鎌田、山本、加賀と筆者・橋倉でした。

2022年3月30日 (水)

私と森をつなぐ40のアクションにLet’s try!

 3月26日に開催された森びとプロジェクト主催の「脱炭素社会の課題を考える3.26シンポジウム」では、林野庁「森林×SDGsプロジェクト」メンバーの皆さんからコンセプトブック「私たちと森のこれから~幸せな未来に向けた5つのアクション~」を作成した思いが紹介されました。「私たちの暮らしが、森や木と関わったら、もっと幸せになれるのではないか」というメンバーの願いが込められていました。

Conceptbook2022330

 Let’s try! 「私と森をつなぐ40のアクション」として、“森を知る・学ぶ”、“森の恵みを楽しむ”、“森や木に触れる”ための具体的な行動を起こすヒントが示され、いくつかの項目にチェックを入れてみました。

Sdgs

 私の住む下野市(旧国分寺町)に「天平の丘公園」があり、昔、下野国分尼寺(奈良時代)があった場所で、歴史的な史跡の保存と市民が集う場所として桜が植えられ、4月から5月のGW頃まで花まつりが開催され、特に大輪の八重桜が見事で多くの市民が花を愛でに訪れます。

 桜の開花も伝えられたことから、チェックした「森と人の生業や文化との関係を知る。」「近くの公園で木を見る。名前を知る。」「森の中で五感を使って自然を感じて楽しむ。」ために、ぶらりと公園へ散策に出かけました。

Dsc03803

Dsc04308_2_2

 新型コロナウイルス感染拡大により“天平の花まつり”が今年も中止(3年目)となってしまいましたが、ソメイヨシノや淡墨桜は見ごろとなっています。八重桜の蕾はまだ固いですが開花を待つ準備をしています。

Dsc04277_3

Dsc04279_2

 白色、薄い桃色、淡い桃色、紅い色など様々な彩りの花が私たちの目を楽しませてくれます。古民家の庭先にはロウバイ、梅、桜が植えられ、3月上旬から花が咲き、小さな子供を連れた家族が花見を楽しんでいました。

Dsc04296_2

Dsc03721

Dsc03739

 5分咲きの桜の木の下に、由来を記した看板があり、読んでビックリしました。20年以上前に故角岸幸三さん(元NPO法人森びと副理事長)に案内していただいた盛岡裁判所の庭に咲く「石割桜」(シロヒガン)の子孫が、“雪子”・“霜子”と名付けられ、平成8年にこの地に移植されていました。岩の間から太い幹と大きな枝を伸ばし、枝先まで花を咲かせていました。

Dsc04077

Img_60831

Dsc04295_2

 ハクモクレンも真っ白い花が満開です。2011年3月11日に発生した東日本大震災後に被災地へのボランティア活動に参加した市民が、震災を忘れない祈念樹として植えられたことを知りました。筆者も昨年10月に開催された第9回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭に参加し、いのちを守る防潮堤に苗木を植えました。まもなく震災発生から11年です。温暖化によって引き起こされる自然災害は場所を問いません。市民の皆さんの絆に胸が熱くなりました。

Dsc04069

Dsc04032
 南側には森が広がり、林内に入るとコナラを中心にヤマザクラ、シラカシ、スギ、ヒノキ、シデが空に向かって枝を伸びていました。樹高が12m~15mほどに生長しています。園路が整備され、林床には落ち葉が積もりコナラやシラカシのドングリがたくさん落ちています。中には根を地面に伸ばしている実もありました。

Dsc04312_2

Dsc04106

Dsc04328_2

 森の中央付近には6世紀後半に築造された帆立貝形前方後円墳「オトカ塚古墳」が保存されていました。1500年以上前から営々と受け継がれ、森に寄り添って生きてきた人々の暮らしの跡が、こんな身近な所にあったことにも驚きました。筆者の身近にある歴史・森へのアクションへいざなって下さった「森林×SDGsプロジェクトメンバー」の皆さん、ありがとうございました。

Dsc04313_2

Dsc04315_2

 国立環境研究所の江守正多さんは、温室効果ガス(CO₂)を排出し続ければ地球全体のシステムを調整する機能の臨界点(ティッピングポイント)を超えてしまい、深刻な被害が私たちの暮らしを脅かすことを伝えています。

 『「脱炭素社会」はしぶしぶ努力して達成できる目標ではない。社会の「大転換」が起きる必要がある。』と、人々の世界観の変化が求められていることが話されました。「石器時代が終わったのは、石が無くなったからではない」という元サウジアラビア石油相の言葉を紹介し、『人類は「化石燃料文明」を今世紀中に卒業しようとしている』と、私たち一人一人がCO₂を出さないのが当たり前の社会を目指して、地球全体のシステムを調整する機能(北極、南極、海洋巡回、大規模森林など)を高めていかなければならないことを教えてくれました。

Dsc04269_2

 温室効果ガスの吸収源である森と海を元気にするために、私たち森びとは1億本植樹の国民運動をサポートしていきます。

(運営委員会副代表 清水 卓)